かっしーのつぶやき
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朝もはよから新幹線に乗り、梅雨空ながら来週に祇園の鉾立てをひかえてどことなく華やかな京の町は四條南座へ。 「風のなごり」はこれにてMy楽となります。 以下観て感じたことなど思いつくままに。ネタバレ大いに注意のこと。
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* なぜだかわからないけど、今日の観た回はずごくお芝居に引きこまれました。今まで泣かなかったところでもじわっときてしまったり。 劇場が変わって、舞台装置のトラブルとかセリフの違いとか細かいごたごたはあったはずなんですが、なんというか役者さんの力量みたいなものが随所に発揮されてて、実に練れた、いい舞台でした。
生きることは時に無様で、滑稽で、それでも春秋は移り人の心は変わり、10年経ち20年経ち、また違う風が吹くときも来る。 そうして今年もまた、日本の夏が、過ぎていく。
…それにしてもあーんな前の方の席で、ほぼ同じシーンで二人並んで大泣きしてるとさすがに不審ですな>俺達!
* 波乃久里子さんにはやっぱり一番泣かされました。ほんとにすごい役者さんです。 セリフでちょっと変更があって、後半、由紀ちゃんがミス平凡コンテストに落ちて帰ってきたあたりで、酒屋のおかみさんに「ねえ、仲直りしようよ」って言うところがなくなってました。でも南座版では、役者さん同士の呼吸みたいなものだけで、ああきっとこの二人の関係もこれから変わっていくんだなろうなって観ている私にも自然と判るような気がしたんですね。なんとも言いようのない人間同士の心の機微みたいなものが、フィクションである筈の物語の中にちゃんと生きて感じられる。ほんとに、役者さんてすごいです。 「20年よ、あれからもう20年経ったがよ、おとうちゃん」って、もうそれだけで、彼女が一日一日生きてきたであろうその年月がどーんと押し寄せてくるようで、圧倒されてただただ泣けてしまった。あえて言おう!波乃久里子は日本の宝だ!
* 最年少出演者・大河内奈々子ちゃんの身のこなしはまだまだ全体的にはくねくねひょろんとしているのだけど、彼女の彼女でなければならない理由がラストシーンの浴衣姿に顕現していると思います。 皆と揃いの踊り浴衣を着ていても、宵闇の中で彼女だけが断然目を引くんですね。ただデカいだけの子ではこうはならないよなあと思うんですよ。あのほっそりした腰、白くて長い首、清楚な容貌があるからこそ、彼女が出てきた瞬間に見ている私はどかーんと酒屋の息子ビジョン(笑)になって、「わー、由紀ちゃんが一番キレイや、由紀ちゃんの周りだけなんか光っとうがー!」みたいな気持ちになってしまう。 だからもうそこから先は、遠い昔の自分自身の、あの疾風怒濤の時代のことを思い出して、眼前の二人のやりとりがなんだか切なくて、涙々また涙でした。
* で、チャーちゃん。相変らず超絶美しいそのシルエット。
3幕冒頭の、白いシャツで一人で踊る場面。回を重ねてきたせいか、今日は見ていて本当に痺れました。 彼女はあの美しい姿だけで百万言を語れる人なので、踊る姿が美しいと思うのはある意味当り前なんですが、今回のあのダンスシーンには、ただ見た目の美しさの上に、さらに凄絶な何かの気配が横溢していたような気がします。
踊る彼女の身体は確かに淀みなく動いているはずなのに、見ている私の視神経にはその美しいかたちがひとつ・ひとつになって刻印されていくようでした。その姿ひとつひとつがそれこそよく切れる彫刻刀のようなもので、彼女の一挙一投足が舞台の上の空間を鮮やかにカッティングしていくような、そんな感じ。何もないはずの空間に、無数に残るクリアなその彫り跡。照明が消える寸前、彼女がとって見せたあの恐ろしいほど美しい止めポーズはまさに私の視神経への「最後の一太刀」、そんな感覚でした。
匠ひびきという人の身体の中には、舞台の板に乗ったその瞬間から生きることを始める部分というのが確実にあるんだろうと思います。 去年、彼女を襲った病魔のことを思えば、それはなんて因業なことだろうかと戦慄します。それでも、私は彼女の舞台姿がまた見たいと思わずにはいられないし、結局私が彼女にしてあげられることと言えばただ「見る」ことだけで、だからこそその儚さゆえに、私は彼女の生きる場である舞台を前にするたびに、万感込めて拍手を贈らずにはいられないんだと思います。
「風のなごり」はこれでMy楽となりますが、最後に彼女のこの回のダンスを目に納めることができたのは、実に幸運なことでした。
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舞台がはねてからは京の町を散策がてら御所の西、蛤御門前の護王神社へ。 ここは去年、チャーちゃんがヅカのサヨナラ公演を病気休演になった時、まさに「これから先はもう神仏に祈るより他にない」というような心境になって探して見つけた神社です。検索エンジンで「足腰 神社」というキーワードで探すといの一番&最多ヒットするのはこの神社で、オフィシャルHPもありますので詳しくはそちらを見ていただければわかりますが、ここは特に足腰の病の平癒にご利益があるということで有名な神社でなのですね。 その護王神社に、実は昨年の5月、私達はチャーちゃんの病気平癒を祈って願掛けをしてきていたのでした。ですから今年こうしてお札を納めに行くのは、文字通り願いがかなってのお礼参りとなります。 しかるべき場所にお賽銭あげてお札を納めて、拝殿に拍手を打ってお参りして、垂れた頭を上げた瞬間、なにやらものすごく晴れ晴れとした気分になって我ながら驚きました。これでようやくひとつのことが「済んだ」、というスッキリ感みたいなものが、ドカンと頭上から降ってきたような感じです。 願いがかなってお参りする時、人はこんなにも清々しい気分になるものなのか!と、しみじみ感じ入ったことでした。 鳥居を出るときもう一度振り返り、境内の名物「こまいのしし」にもお礼を言って、ホテルへ帰りました。
…あー、それから。最後に思い出した余談。
南座で、ロビーの片隅に置かれた「匠ひびき」の札が下がったチラシ置き台の上に、匠の会入会申込書や「そし誰」チラシと並んで、当然のように藤本さんのライブ&次回出演作のチラシが置かれていたのがなんだか微笑ましかったです。
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