かっしーのつぶやき
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2003年04月17日(木) レディ・ゾロ観戦記 7 闘いの場所は心のなかだ

というわけで大阪松竹座でタニアとめでたく再会相果し、『レディ・ゾロ』の舞台写真を一挙18枚購入してきやがりましたわたくしです。
本当は並ぶ舞台写真の端から端まで指差して「これ全部下さい」って言いたかったんですがさすがに理性とサイフの紐がそれを押し留めました。

…でも来週、千秋楽を見に行ってもまだその理性とサイフの紐が強固なままかどうかはかなり疑問です(笑)。

以下、大阪松竹座公演を観て感じたことなど思いつくままに。東京公演同様、ネタバレ大いに注意のこと。
っても今回はタニアのことばっかり。そしてまたしても長い。

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* 久しぶりに会ったタニアは相変わらず凄絶に美しかったです。
 とにかくまず目を奪われたのは、東京公演にくらべてさらに一段と引き締まった彼女の身体の線の美しさでした。余分なものが落ちきって、でも病的なガリ痩せなんかじゃなく、美しい骨格に美しい筋肉がきれいに捲きついて象られたそのライン。そしてその緊密な身体のラインが舞台空間に描き出す、無数の「絵になる瞬間」、その連続。まさに一幅の絵・乱れ撃ち状態。
そうだよー!コレだよー!これが匠ひびきを観る喜びってもんだよーー!!とばかりに、タニアが舞台上にあらわれるやいなや私の視神経がもんのすごい勢いで彼女の姿かたちをトレスし始めたのが自分でもよーく判って、我が事ながらオモシロかったです。

* そのタニア、ことに今回はデコルテのラインが秀逸!秀逸すぎ!
 前半のビスチェ風ドレスなんかもう、身体が締まったせいで少しゆるくなっちゃったらしくて時々肩紐が肩紐がするりと!するりと落ちそうになったりなんかしてそれはもう!!なななんてきれいな身体なんだタニアーー!うっうっうっ。ごめんねごめんねアタシったらこんなに身体の線ばっかり見てて!だってだってどうしようもなくきれいなんだもん!美しいものが嫌いな人がいて?パンがないならお菓子を食べればいいじゃないの!!(混乱)

* 酒場の場面でタニアが「お酒の返礼」(笑)として踊るフラメンコ・ダンスが、これまたより一層磨きがかかった感じでかっこいいのです。
 もちろん今までも充分かっこよかったけど、大阪に来てなんというか踊りに芯ができたような、さらに中身が詰まったような感じがすごくあって、見ていてすごく気持ち良かった。

* 大阪版のタニアのふだんの髪型、あのサイドをちょっとつまんで後ろで束ねて、あとは下げ髪にしてあるやつ、すんごく似合ってて好きです。
 フラメンコの時に痛感したけど、踊りの中で勢いよく動くと実に小気味良くバラッと広がって、すごくかわいいんだけど凛々しい感じもして、華やかで非常にグーです。あのパラリ感は、絵に描きたくなるですね。

…そう言えばそうねtimutaさん、アレは私らがジョシダイセイだった遠い昔に流行った髪型だったわよね…ロングソバージュの耳脇サイドつまんでねじって後ろ頭に持っていってバレッタで留めるのよ…それをさらに襟足でまとめて一つに結んで降ろす、そうよあの大阪版レディ・ゾロの髪型みたいなのを、私はヒソカに「納豆」って呼んでたわ…(遠い目)

* 幕開けからしばらくの間はひたすらタニアの姿かたちを目でトレスするのに夢中になっていたために聴覚はお留守で視覚ばかりが暴走していた私ですが、とはいえその前半の、ジェシカ様のアンジェラス邸ご訪問の時だけはとても鋭敏に聴覚が働いたのでした。
なんだかこのシーン、大阪に来てジェシカ様の感情の動きがよりはっきりわかるようになったみたいで、涙腺のゆるい私は2回ともいきなりここで泣けてしまいました。

* ルドルフさんにやりこめられて退散した帰り道、タニアが酔漢にからまれるシーンのあの例の「戦闘サイボーグ暴走モード」も健在でうれしかったです。
 タニアがまずひとりをぶっ飛ばして,、さて更にもうひとりを、とゆらりと足を踏み出すところでマリアちゃんが「待って、タニアさん、落ちついて!」と飛びこんで来るんですが、その時のタニアの、あの人形のようなまぶたをすばやくパチパチッとさせてカクンと我に返る仕草が、相変わらずもうしびれるほどにとってもサイボーグ感に溢れておりまして、いやー。見ててつくづくシアワセでした。

* 松竹座は舞台と客席がものすごく近くて、いろんな細かいことも良く見えました。
どのくらい細かいかというと、レディ・ゾロの赤いブラウスの袖が透け感のある布地になっててその中にほの見えるタニアの腕の輪郭線がとってもとってもほっそりしてるのがよく見えてなんだか思わずドキドキしたりするくらい細かい(笑)。

* 同じく舞台と客席が近かったために、いろんな声がマイクでなく生声でも聴こえたり、役者さんたちのお化粧の匂いが濃厚に漂ってきたり、舞台のホコリを吸ったりドライアイスのスモークをかぶったりバッちゃんの毒霧(timutaさんの日記参照)を受けたり、と実に臨場感あふれる観劇になりました。それはそれである意味、いい思い出になったというか(笑)。
…ああ、観劇日記のはずなのに骨格だの毒霧だののことばっかり書き連ねているこんな私は、実は心は立派な変態なのかもしれん…

* 2回目の公演はラッキーにもベルナルドさんのちょうど正面になる位置の席になったため、終盤の洞窟のシーンではベルナルドさんのあの歌声がマイクを通さない生声でもビンビン聞こえてきて、ただでさえ泣けて泣けてしょうがないシーンなのにその回はもうそれこそハンカチでも噛んでないとえぐえぐしてしまいそうなくらい大泣きしてしまいました。 

 ベルナルドさんの声は、腹に響くですよ。腹の底までしみいって、心を潤す声なのですよ。
 …ちなみにわたくし、いつもここで泣き始めてあとはもうほとんど最後まで、アンコールの幕が降りるその瞬間までずーーーっと泣いてます。しかも掛け値なしに毎回・欠かさずです。私にとってはどうにもツボなのですね、このあたりの物語の展開。

* 後半大詰め、町のみんながゾロになってアンジェラス邸に駆けつけ戦うシーンで、助け出されたルドルフさんに駆け寄るタニアがむちゃむちゃケナゲで可愛くて、ひたすら泣けます。

 息せき切って走ってきて、転がるようにルドルフに駆けよって、泣きそうな声で「ルドルフ、わたし、やっと解ったわ!」。
 そして「本物とかニセ物とかじゃない、誰だってゾロになれる、ここにいるみんながゾロなのよ!」と、もう必死の、ボロボロ泣きの、でもどこかふっきれたような声で彼女が叫び終わると、それを受けてルドルフさんが、穏やかに「そうかもしれない、でも皆をここまで引っ張ったのは君の力だよ」と答えてくれる。その瞬間の、それこそ今まで厳しい先生に何度も何度も突っ返されてきた答案にやっとマルを(しかも思いがけないほど大きな花マルを)つけてもらえて、そんな自分に自分でびっくりして茫然としている子供みたいな、もう気負いも意地も根こそぎ剥がれ落ちたような素な表情がなんともケナゲで愛しくて、私はそこで毎回、涙で前が見えなくなるほどざぶざぶ泣いてしまうのでした。

 このシーンを観ていると、我が子の初めてのお使いを見守る親御さんの気持ちってこんな風なのかな、とふと思ったりします。
 良かったね良かったねタニア、やっとできたね、今度こそ、間違えなかったね。

 …とか思っていると、追い討ちをかけるようにルドルフさんが「天国の父上もさぞお喜びだろう」なんて言うから、言うからもう!あとはもうどこまでも、涙で心を洗うしか!!

* 最後の決闘のシーン。「だったらその矢は止めるわ、止めてみせるわ、それが私の成すべきことよ!」も、「ジュリアン、あなたは逃げて!」も、東京公演よりずっと悲痛な涙声になっていて、だから余計にタニアが今、何かを、もう本当にギリギリの所でその身をもってくいとめるために必死の思いでそこに在ろうとしているんだって気がすごくして、胸がギシギシいうくらい泣いた。

 魂とはなんだろうか、と考える。「高貴な魂」という、その清しさは、いったい何に拠るものなのだろうかと。
 ごめんなさい、たぶん私はこの『レディ・ゾロ』について、そんなふうなことをこれからもずっと考え続けていくだろうと思います。

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 観終わって、帰りがけの駅のホームで、timutaさんと二人でしみじみ話しました。
 私も彼女も、この『レディ・ゾロ』という作品が、本当に好きで好きでしょうがないと。よくもまあ、チャーちゃんがこの『レディ・ゾロ』という作品に出てくれたものだと。
 「これほどまでに好みにストライクゾーンなキャラクターを、大好きな役者さんが演じるのを見ることができて、私は本当に幸運なんだと思います。」
 以前自分が自分の本に書いた言葉を、またこうして同じような熱い気持ちで反芻しながら帰途につくことができる今この時は、やっぱりものすごく幸せなひとときであるに違いないだろう、と、しみじみ思い知った長い一日の終わりでした。

…しかし本当に長いな(笑)。


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