かっしーのつぶやき
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2002年08月25日(日) かくれさと

後厄ゾロ目女3人衆・残夏の四万温泉行(なんだか百鬼夜行じみてるな)、そのつづき。

四万温泉郷からさらに山道を登ったところに日向見地区という集落があります。この日向見というところ、山の中腹にある本当に小さな温泉郷なのですが、ここにある元国宝・今重要文化財の「日向見薬師堂」というのが、実にじつに素晴らしいものでした。

重文と聞いて来てみればそこには小さなお堂が二つあるばかり、ちょっと見には「これが元国宝?」と拍子抜けしてしまいそうな簡素なたたずまいなんですが、本堂正面に小さく開いた覗き窓から内部を見てみると、これがまあ、びっくり。
正面壇上には小さな金の薬師像、そして内陣を囲む朱塗りの円柱、渦紋を描く木鼻の華麗な装飾。見上げれば一間鏡天井に描かれた神獣の極彩色もいまだ生々しく、まるでこのお堂の中だけ時の流れが止まっているかのような、一種異様な空間でした。なんだか、木原敏江の室町ロマンに登場する妖しい美青年が物陰からついと出てきてこちらに艶然と微笑みかけてもまったく違和感がないような。
こんなのどかな山あいの集落に、さながらそこだけ厳重な結界が張られてでもいるように室町の空気が忽然と残っている、その不思議さ。そして一呼吸おいてたちのぼる、そら恐ろしさ。いわゆる霊感の素養がまったくない私でも、その霊験満ち満ちた空気にちょっとぞくりとしてしまうような、そんな感じでした。

そして覗き窓から目を離せば、400年の時間はひょいと戻ってあたりは先刻のまま、ぽかんと乾いた蝉しぐれ降る21世紀の夏で。
…なんだかすごいものを見てしまった、と茫然としながら、ふらふらと参拝しました。

その後、JA所有のだだッ広い敷地にひたすら薬草が植わっている薬王院というのんきな公園へ。しかし折悪しく貧血最高潮&胃腸なのか婦人科系なのかよくわからんような謎腹痛を抱えていたため、歩いているうちにえらいヨレヨレに。冷や汗をかきつつ帰宅の途へ。
ふだん不摂生しまくっている私のよーな人間は、今回のようにいきなり体に良いことばかりするとリバウンドみたいになってかえって体調崩れるのかもしれません。なんだかナサケない〜。

今回のマイお土産>日向見薬師堂前のお篭り堂で買ったご当地小冊子『真田忍者と中之条町』(中之条町教育委員会編纂)。弱いんです、こういうのに…。


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