蛍の里、尾口村に伝わるおとぎばなし
【【【【【【【【【【【【【天狗のかくれ蓑】】】】】】】】】】】】】】
むかしむかしあったといの
神んさまの大いちょうのてっぺんに 天狗さんが止まっておらっしゃるがやと
隠れみのをかぶっとったから 人の目には見えんかったけど
ある時ばくちこきが その隠れみのが欲しいて一芝居したがやと
大いちょうの樹の下に行って ばくちにサイつぼのぞいて 「おぉ見える見える 大阪が見える 京も見えるがいや」
とでかい声をあげたら 樹の上の天狗さんが
「おまえ何が見えるが?」
ばくちこきはサイつぼをのぞきながら
「大阪やら京やらみな見えるがや」
「ほんならいっぺん貸してくれ」
「ほんなわけにはいかんがや どうしても欲しいと言うがなら 天狗さんの隠れみのとかくれ笠貸してくれ ほしたらしゃあないかしてやるわい」と
うまいこと言うて隠れみのと隠れ笠を手に入れて 姿をかくしそのまま家に帰ってしもうたがやと
天狗さんはいくらサイつぼをのぞいても なあんも見えなんだ
「こりゃしもた だまされた」
と腹をたてたといの
家に帰ったばくちこきは カカアをおどしてやろうと 流しのそばでうずくもっておった
いちばん大事なもんが かくれ蓑からポロッとでとるがにも気いつかんと 昼ままの仕たくで大忙しのカカアは 流しのそばにイモみたいなもんが落ちとんがをみっけっと
「ありぁ〜こんなとこにイモが落ちとる」
とかまどの火ばしでそれをチャクンと突きさしたがやといね
ばくちこきやぁ 「あぢぢあっ」 と飛んで出たちゅうこっちゃ
そろばん がっちり がんなます
【【【【【【【【【【【【 】】】】】】】】】】】】】】
最後に書かれている
「そろばん がっちり がんなます」
の意味がわからなくって
いろいろ調べてみたのですが どうも、おとぎ話を聞かせるときの 最後の締めの言葉のようです
「めでたし めでたし」 のようなものか? めでたくない場合の使うのかしら(^-^)ゞ
それと 「ばくちこき」 = 「ばくち好きの人」
ってことなのですが、知ってました?
博ち好きの人が負けるとどうなるか? を考えるとわかりますよね(^-^;
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