読売新聞朝刊より
―――【EBM】――― 数百人から数万人単位の患者を対象に 特定の薬を飲んだ人との飲まない人で 経過を比較するなど 大規模臨床試験の結果が 信頼度の高い研究とされる
権威のある医師の意見や経験による診断に代わり 臨床試験の結果を重視する手法をEBMをいう
広く行われれていた治療法の効果が否定されたり 逆に廃れた治療が再評価される現象も起きている ―――――――――――――――――――――――――
記事によると厚生労働省は 「臨床医が診断、治療する際に選択に役立つ情報を 提供することで医療の質と患者サービスの向上をはかる」 と目的を掲げ、2000年から指針作りに乗りだしたそうです
患者数が多い二十疾患を選んで 診療指針(ガイドライン)を作っている
<<< 国の研究班などが作成した診療指針 >>>
糖尿病 「糖尿病治療ガイド」 (文光堂、本体500円)
急性心筋梗塞 「急性心筋梗塞ガイドライン」 (じほう、本体1,600円)
高血圧 「高血圧治療ガイドライン2000年版」 (日本高血圧学会、本体2,000円)
ぜんそく 「EBMに基づいた抗喘息薬の適正使用ガイドライン」 (協和企画、本体3,500円)
泌尿器科領域 「前立腺肥大症診療ガイドライン」 (じほう、本体1,200円)
胃潰瘍 「胃潰瘍診療ガイドライン」 (じほう、本体2,200円)
脳梗塞 報告書は完成、出版は検討中
白内障 報告書は完成
腰痛 報告書は完成
関節リウマチ 報告書は年内に完成
クモ膜下出血 出版準備中(じほう)
アレルギー性鼻炎 「鼻アレルギー診療ガイドライン」 (ライフ・サイエンス社、本体3,000円)
肺がん 秋にも出版予定(金原出版)
乳がん 報告書は完成
アルツハイマー病 報告書は完成、出版は検討中
*胃がん、大たい骨骨折、肝がん、椎間板ヘルニア、脳出血は作成中
胃がん(学会作成) 「胃癌治療ガイドライン 医師用」 (金原出版、本体800円)
「胃がん治療ガイドラインの解説 一般用」 (金原出版、本体1,000円)
腰痛に関しては
一般公開されると都合の悪い事でもあるのかしら(←。←) そういえば、この新聞記事の書き出しには ―――――――――――― 三十歳の女性は、近所の小児科・内科診療所で 胃潰瘍の診断を受けた
ピロリ菌の除菌治療後 胃粘膜を保護するという薬を一ヶ月も飲んでいたが 症状が治まらない
読売新聞で「胃潰瘍の診療指針」の記事を見て驚いた 飲んでいた薬について 「治療効果を示す十分な根拠がない」 と書いてある
内容を医師に伝えると 「今まで小児科を中心に診療してきたので 胃潰瘍には詳しくなくて」と告白
有効性が高いという薬に切り替えたら 効果が表れた ――――――――――――
とあります。 そして同じ紙面にはこんな医療相談が・・・
【椎間板ヘルニア治すには】
3○歳の息子が椎間板(ついかんばん)ヘルニアのため 昨年2月にレーザー治療を受けました しかし1年以上たっても良くなりません 再度レーザー治療を受けて効果はあるでしょうか (京都・父)
この質問をしたのよっさんのお父様じゃないよね(^-^; あ、この質問の答えは簡単に言うと 「再度のレーザー治療は不要」 ってことでした
この治療に関しては レーザーによる上下の背骨の壊死(えし) 膀胱(ぼうこう)や直腸の障害なども報告されています 将来は確立した治療法になる可能性はありますが 他の治療法との科学的な比較研究が不十分です 保険も認められていません
とも書かれています 患者には医師と同じように 知識を得る権利があると思います
最後に
同省や日本医師会などが作る日本医療機能評価機構は 診療指針を普及させるため 10月からホームページで各疾患の指針を順次公表していく
専門医、一般臨床医(開業医など)、一般向けの 3種類を整理し掲載する予定だが 当初は専門医向けが公表される
とありました 期待しましょう!
◎日本医療機能評価機構
http://jcqhc.or.jp/html/index.htm
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