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2004年01月15日(木) aiko評

ぶっちゃけ、聴いてて恥ずかしくなるくらいのミスチルの技法全開なんですが、女側に立ったミスチルというか女版桜井というか、プロデューサー・アレンジャーも相当な反則ペナルティー必至なレベルなんだけど……、それでも、それだからこそ、aikoは素晴らしい。

「えりあし」は、日本ポップス史の殿堂の封印を解いた超大名曲。これを歌う子には無条件で惚れます。ちゅうか、サビの切なさのラインがもう完全に、俺はあえて大絶賛で指摘するけど、チューリップ「青春の影」の日本中の涙腺を今日の日まで緩め続けたあの一節を拝借している。これをやったaikoは素晴らしいぞ!

四分間なのも素晴らしい。

多用しているけれど、曲の最後で声をずーっと伸ばすのも、想いよ届いて欲しいという切々とした希求の強さと儚さがあって、さらにそれが伝わらない絶望を加速させてて、マジで素晴らしい。

俺はもちろん女じゃないから、女性の気持ちなんてのは本来的には分かってあげられるはずも無いんだけれど、それでも、涙が知らずに溢れているような、共感を覚えることができる歌詞を書いている。それは、愛や恋の本質の針の穴のような一点めがける、めちゃくちゃ強くて凛としたベクトルだから。

「えりあし」はただの後悔の歌じゃないからね。

本当の自分を探すために、あえて、本当に大好きだった彼の元を飛び出していく、そんな、人間にしかできない偉大な選択をスケッチしてる。

紅白を見た人は、何か異質なほどの感動を覚えたと思うけれど、クライマックスは圧倒的にエモーショナルになる。「5年後あなたを見かけたら/背筋を伸ばして声を掛けるね/一度たりとも忘れた事は無い/少し伸びた襟足を/あなたの下手な笑顔を」。この歌詞に乗せたあの歌とメロディーは本当に切なくて、心が締め付けられる。本当はもっと彼の姿なんて甦ってくるんだろうけど、二つに絞ったのも素晴らしい。一時期奥田民生がクライマックスで事例の連呼をして、GLAYなんかが真似して一部で流行ったけれど、この曲にはそんな営業はいらない。あの二例だけで、素晴らしい。

本当の恋愛をしたことがある人は、この世界に何人いるのか分からないけれど、少なくとも言えるのは、恋愛って言うのは本当に本当に複雑で、奥が深い。もう好きじゃなくなったのに離れられなかったり。大好きでその相手しかいないのに離れたり。遺伝子と理性の狭間で揺れるその恋愛の宇宙的な拡がり、そこにaikoはちゃんと苦悩しながら、格闘しながら、一つの自分なりの解を分かりやすく提示してくれる天才を持っている。


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