ディリー?闇鍋アラカルト
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僕はドラム缶のような物が並んでいる所の陰に隠れていた。 何で隠れているのか・・・それは空手部の先輩が僕を探し回っているからだ。 何をしてそんな事になったのかは覚えていない。 とにかく隠れなくちゃ。 先輩たちに見つかっては何をされるか分からない。 しごきか?リンチか?説教だけで済むとはとても思えない。 まだ遠くにいる。 こちらは息を潜めてじっとしている。見つかっちゃならない。 向こうに行ってくれ! しかし、あぁ!段々近付いて来る。 先輩たちは何かごちゃごちゃ話し合っている。 僕をどうしようかという相談だろうか? 話の内容までは分からない。 考えたくもないが不安になる。気になる。 話し声が段々近付いて来る。 こうして向こうを覗いたりすると、却って見つかるかも知れない・・・ 胸の鼓動が高まってくる。ドキドキ。 近付いて来る。ドキドキ、バクバク。 もう見つかるのも時間の問題か?ドッキンドッキン。 ウアーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ! 僕は恐怖に耐え切れなくて目覚めてしまった。 しかし、この時に大学時代に見た夢、ヤーさんと争った夢を思い出した。 恐怖の中でパニックになっちまっちゃあの時と同じじゃないか。恐怖の中に居てこそ、そこに踏みとどまってこそ万が一にでも助かる可能性があるのではないか? 僕は再び夢の世界に戻ろうと決心して目をつぶった。 そして、戻る事が出来たのだ! 恐ろしい先輩は近付いて来て・・・その先は覚えていない。 もう十年以上前の事だ。あの時僕は見つかったのだろうか。 それとも先輩が僕を発見できないで行過ぎてしまったのだろうか? しかし、僕は恐怖の中、そこに踏みとどまる事が出来たのだ。 大学時代にヤーさんの夢を見た時には踏みとどまる事が出来なかった。 夢から逃げ出してしまった。その時には寂しい気持ちになった。 空手部の先輩の夢では逃げ出さず踏み止まれたという事が、あの時の自分とは違うという密かな自信に繋がったのは言うまでもない。
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