ミドルエイジのビジネスマン
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2012年03月24日(土) 奇跡の連続

プラモデルの部品でもあるまいに、施設長からパートタイマーまで、2週間くらいの間に揃って来てくれるなどと、ノー天気なことを一体誰が考えたのだろうか。指示されたようにネットに転職広告を出し、ハローワークにも行き、新聞の折込も発注した。そして、家具もない寒い部屋でキャンプ用の椅子に座り、全然効かないファンヒーターに両手をかざしながらひたすら待った。それぞれの役職には公的な資格が必要とされ、それぞれの応募者には何物にも代え難い自らの人生がかかっている。

ある人は大型施設の仕事を投げ打って、ある人は同時期募集のもっときれいな施設と比較した上で、またある人は子育てとの両立を考えて。ある若者は初めての社会人生活をこんな小さな職場で始めるのも面白いと。こうしてみんな集まってくれた。とりわけ感謝しているのは、その資格に見合う報酬が払えないと、一度はお断りしたにもかかわらず、その後こちらが困って送った泣きのメールに応えて参画してくれることになった方に対してだ。

タイムリミットまであと1週間、その人が来てくれなければ、有資格者が充足できず、最も短期間であっても開設が1ヶ月遅れるところだった。全員のひと月分の給与を支払った挙句、何も動けないばかりではなく、こんな脆弱な組織に参加してあげようとと思ったのに、やはりスケジュールどおりの開設さえできないのかと落胆させ、場合によってはチームが空中分解しても不思議ではないところまで追い詰められた。

奇跡的に滑り込みセーフとなり、スケジュールに沿った形で開設できることとなった。かねてから、自分は人との巡り会いにツキがあるとは思っていたが、こうして集まった方々の顔をひとり一人思い浮かべると、奇跡の連続だったとしか思えない。

採用している期間を通じて、こちらサイドから見ても浮き沈みがあり、もし双方のタイミングが合っていれば一緒に働けたはずなのにと思う方もいたし、当方が「決めた」と決断しても、のらりくらりと他の会社と比べ続ける猛者もいた。いい年をした紳士のはずなのに、面談する日を2回も変更させて、結局約束した日に現れない人もいた。いやいや、人のことばかり責められない。立派な人を失うことを惜しみ、一日また一日と返事を遅らせてしまったのは自分の方だった。申し訳ない。

そういう浮き沈みの波や偶然の出来事を乗り越えて、ようやく集うことのできた人たちと、和気藹々(あいあい)としたチームを作ることができたなら、なんと素晴らしいことだろう。


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