rioshimanの日記
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現在世間を騒がせている和田義彦画伯の盗作事件は他人事ではない。和田氏には昨年秋の我師・佐々木豊個展が日本橋三越で開催されている際にも会ったし、彼の安田火災東郷青児美術館大賞記念展も新宿まで見に行った。佐々木先生と同じ国画会に所属していて彼の名前もよく聞かされていた。
この事件の原因は、和田氏の経歴を見ても分るように、彼はイタリアに西洋古典絵画技法を学ぶため出掛けて6年間も模写を続け、いわばコピーの達人なのである。そこでイタリア人画家スギ氏の作品に出会い模写をしているうちに良い感触を見つけ、自分の作品と他の人の作品の区別がつかなくなってしまったのではないかと思う。 また日本ではイタリアの現在美術があまり一般に知られていなく、周りの人からちやほやされてそのまま自分の作品として発表する羽目に陥ったのではないかと推量する。 私もこの人の日本人離れした作品イメージはいったい何処から来ているのだろうかと驚きの目で眺めていた。その特異性は際立っていた。このイメージの強さが沢山の賞をもらう起因となったことはいなめないだろう。
横浜絵画クラブの仲間にも渋谷の和田義彦絵画教室で長いあいだ教えを受けている人がいる。きっと心中複雑な思いをしているに違いない。
今日は横浜・佐々木豊教室に行く日。現代美術界の隅々までを知り尽くしている先生は果たしてどのような話を我々にしてくれるだろうか。
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