rioshimanの日記
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2004年10月21日(木) ロドス島(2日目)

古代都市「リンドス遺跡」を見学

 日本でガイドブックを読んだ時、ロドス島に行った際には是非訪れたいと思っていた「リンドス遺跡」。

 朝起きて今日は先ずはこのリンドスに行こうとバス停に足を運ぶ。今までの感覚でこのあたりの時間に行くとうまくバスの時間に間に合うだろうと停留所に行くと運良く発車時刻10分前だった。このロドス・シティからリンドスへのバスの便数はコス島のケファロスに比べずっと多い。観光客の数の違いだろうか。何せロドス島はギリシア3番面目に大きい島だから。(バス代 片道3.4ユーロ)

 バス内は軽い服装の人が多く、海水浴場が目的なのだろう、手前のパラダイス・ビーチで下りる人もいた。
 バスはあちこち街に寄り道しながら島の南西に向かって走る。バスの外には美しい自然が広がり、窓から見える景観は開放的な気持ちになりとても気持ち良い。

 目的地が近くなってふと右後部席を見ると日本人らしいカップルが座っているのに気付く。女性の手には日本語のガイドブックが握られている。二人とも大人しくしているが長身の男性の方は両耳にヘッドホーンを被せ、いかにも退屈だというふうな風で、まるで山手線の電車内にいるかのようにリズミックに音楽に合わせ体を揺らしながら聞いている。そしてその音がこちらの方にも漏れて来る。


 バスの窓の外には美しいギリシアの海岸風景が流れているというのにそちらには一向に見向きもせず、この人達はいったいギリシアに何をしに来たというのだろう、と私はその時ひどく腹が立ってしまい彼らには声を掛ける気も起こらなかった。

 リンドスに着くと私はバスから勢い良く飛び出しアクロポリスに向かって走り出した。

 バス停から長い坂道をずっと下り、やがて観光客用店が軒先を並べている賑やかな場所を通り過ぎると丘の上にある城壁に向かい坂を登り始める。その坂は意外に急で頂上まではとても一気には登れない。左面には蒼く澄み切った本当に美しい海がずっと広がっている。途中の休憩目的でその海を見るために道から少し離れた岩に登ってスケッチを始めた。

 坂道を通過する観光客たちのオシャベリが遠くから聞こえている。その中に日本語らしきが混ざっているのに気付いた。お互いに声を掛け合っているので団体客らしい。上に一度登って見学し、そして間もなく降りて来たようだ。「こんにちは」遠くから声が掛かってきた。

 考えてみるとこの旅でギリシアに来てからは日本人に会った事は一度もなかった。久し振りに日本語で挨拶を交わした。二人連れのご婦人だった。

 「そちらに行って絵を見せてもらっていいですか?」「どうぞ、足場が悪いので気を付けてくださいね」


 話してみると、彼女たちは日本の旅行社手配でイタリア・ミラノに飛行機で入り、ヴェニスから船でイタリア、ギリシア、トルコを廻る10日間旅行とのことだった。このロドス島には今朝到着してここリンドスを見学、そして間もなく2時にはバスに集合し、夕方にはもうロドス・シティから出発するという。一瞬何て慌ただしい旅かと思ったが、一般の団体旅行はこれが平均的なんだろう。でも宿泊は殆ど豪華船内でのゆっくり旅、なんて羨ましい旅かとも思う。
 もし私が展覧会でもすることがあったら是非案内状を下さい、と彼女たちの住所を私の手帳に書き残してくれた。東京と横浜の方だった。

 一休みするとアクロポリス内に入る。頂上に登ると360度周囲を眺められその景観は素晴らしい。さすがギリシアを代表する観光地、しっかりと入場料を徴収するだけのことはある。遺跡の建築物は大掛かりな修理が行なわれていた。

 遺跡から出てロドス・シティに帰るバスの時刻までを計り、遠景から全景スケッチをする。(これは全くの速写。スケッチに要した時間は1時間ぐらいか)


 ロドス・シティに到着したのは夜7時頃、すでに辺りは真っ暗になっていた。バスから地面に降り立った時、さすがの私も一瞬どちらが北か南か全く方向感覚を失ってしまっていた。

 停留場辺りをひとまず「落ち着けば大丈夫」と自分を励ましながらゆっくりと一周し、昨夜に地図を広げながら廻った道の記憶を何とか取り戻すことが出来た。


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