台所のすみっちょ...風子

 

 

試練 - 2003年11月24日(月)

私のバイト先に良くチャットをしにくるA君は、

私が勤める前から通ってくれている常連さんで、

17歳のかなりオタクな高校3年生だ。


規則破りの常習犯だった彼は、昔からスタッフの間では

すこぶる評判が悪かった。

例えば、

禁止されているフロッピーを持ち込む。

アダルトサイトを見る。

デスクトップ上に自分のフォルダーを作り、その中に

H系アニメの画像を180枚もプールしたりする。

持参したCDROMを使用し、パソコンをフリーズさせた・・などなど。


当然、このバイトに就いて、早一年が経とうとしている私も、

歴代の先輩方が残していった日誌などを読み、さらに、

こっちが声をかけても挨拶しないその態度に

「子供の分際で、私に挨拶なしとは30年早い!」と

怒りを込めつつ、彼のことを要注意人物として見ていたのだった。


ところが、「絶対こんにちは・・って口を割らせてやる」

と半ば意地になって続けた私の「挨拶運動」が

功を奏したのか、バイトを始めて4ヶ月たったあたりから

彼が次第に口を開くようになり、私と世間話をポツポツするようになった。

そして、半年断った頃、何故か私に家庭の事情まで

話してくれるようになったのである。

チャットの画面に向かって薄笑いを浮かべる彼。

自分の世界に閉じこもるその様子には、

「何かあるのでは・・?」とは思っていたのだが、

聞けば彼は彼なりに辛い思いもし、

世の中に、無責任な大人に、一人で挑んでいるといった感じであった。


で、そんなことがあってからは、彼も徐々に悪さをしなくなり、

少なくとも、何か問題がありそうな場合は、

事前に私に確認を取ってくれたりして、

最近ではすっかり良いお客さんとなった。


しかし今、私はまた彼に新たな問題を感ぜずにはいられない。

それは・・

なんたって臭い。

まるで3ヶ月は風呂に入っていない、といったような、

どちらかと言えば、ホームレスの方々のように臭い。

臭いは2メートル四方に確実に及んでいて、

私はいつ他の客から、苦情が来るかヒヤヒヤだ。

彼に対しては、やんわりと注意を重ねてきた私も、

さすがに

「臭いんだけど」とか

「どのくらいの周期で風呂に入るの?」とか

「体洗ってから来て」とかは、言えない。


今まで「いや〜、このバイト楽だ〜」と言い続けては、

日記を書いたり、頭に意味もなく持参したお茶のペットボトルを

乗せて遊んでいた私だが・・

サービス業に従事する者として・・

遅まきながら最大の試練を迎えようとしている。


おしまい。



...




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