演歌の花道 - 2003年10月17日(金) 今日、女性演歌歌手のライブを見に行った。 彼女は30代前半。苦節13年ぐらい。 ハッキリ言ってぜんぜん売れてない。 一緒に行ったM子の友達が、そのプロダクション関係者であり、 頭数を揃えるための、つまり私達は”サクラ”としてそこに行ったのだ。 場所は築地。 なんと築地本○寺の敷地内にある小さいホールが会場だったのである。 東京に出てきて早、うん年。 由緒正しい本○寺といえば、てっきり「有名人のお葬式をやるところ」 だとばかり思っていたので、これには大変驚いた。 会場は100人弱ぐらい入れるスペース。 塗料がはげていたり、傷がたくさんあったりの舞台の上で、 和服姿の彼女は歌う。 その姿はスポットライトの赤やオレンジの光が辛うじて、 芸能人のショーだと教えてくれるほどの地味さであり、 芸の世界の厳しさが良く分かったのだが、 反面、私にはいくつかの疑問も生まれた。 それは 「この人と紅白出場歌手、坂本冬美との間にどれほどの差があるのだろう?」 ということと、 「いつまでたっても売れず、辛いハズなのになぜやめないのか?」 ということである。 で、”サクラ”として花束を渡さなければならなかったのに、 そのタイミングより、終始そんなことばかり考えていた私の結論はこうだ。 まず、坂本冬美との差は、ただ単純に曲に恵まれているかいないか。 そしてやめないのは、例えば私達一般人が嫌なことがあったりすると、 「じゃあ、今夜はカラオケするかぁ〜」とボックス に行き、大声を出してストレスの発散をするのと同じ理屈だと考えられる。 パッとせずとも、取り敢えず彼女は歌手である。 と、いうことは常に思いっきり声を出している。 つまり、年中カラオケ状態。 これではストレスが溜まる暇もない。 そう、だから売れなくても、辛くても、仕事を続けていけるのだと。 ライブは1時間ちょっとで終った。 帰り際、彼女と握手を交わす。 柔らかく細い手を握り返しながら私は心の中で呟いた。 「CDは買わないが頑張れ」と。 おしまい。 ...
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