台所のすみっちょ...風子

 

 

ついうっかりと。 - 2003年07月31日(木)

午前中、私は男を待っていた。

朝が苦手な私が、旦那と一緒に起きてまで男を待ったのだ。

最近、台所の蛇口の調子がおかしい。

そう男とは、水道屋である。


約束は9時半であった。

私は待った。

途中、腹が減った。

焼きそばパン食った。

が、男は来ない。

私は待った。

時計の針が11時を刺すころピンポーンとインターホンが鳴った。

出た。


N○Kの受信料の集金だった。

それがそうだと分かった瞬間、なんだかしどろもどろになり、

私はまるでついに見つかってしまった指名手配犯そのものであった。

集金人の声が心なしか弾んでいる。

「み〜つけた!」とでもいいたげであった。

「どーしてテレビがあるというだけで、子会社作って儲けている

N○Kを私達のように細々と生活している者が支えなければいけないのか?」

という私のもっともな言い分も、もはや通用しない。

滞納していた受信料5600円を払うハメになった。


1時間後、電話がなった。

待ちに待った水道屋のオヤジだった。

「いや〜〜、、うちのものが勝手に約束しちゃったみたいで〜。
 今日行けないから明日にしてくんない?」

オヤジが開口一番ダミ声で言う。

「明日って、、あ、明日ですかぁ〜?」

思わず声が上ずる。2日続けて朝は起きられない。


オヤジは「今日は忙しい」とか「手元に必要な部品が足りないから」とか、

それはそっちの勝手な都合でしょ!というようなことを言い、なんとか

明日にしてもらえるように粘り続けるのであった。

結局そうした。



カチャリ・・・

受話器を置いた。

私の視界には、さっき払ってしまった受信料の領収書。


オヤジさえ、約束の時間に来てくれれば・・・

あの時・・・インターホンには出なかった・・

となりゃあ・・居留守でバックレもできたのに・・と、

テーブルにふてぶてしく横たわるその1枚を、

しばしボーっと見つめる私なのだった。


おしまい。


...




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