台所のすみっちょ...風子

 

 

T君の選挙戦 - 2003年04月25日(金)

区議会選もいよいよ終盤。

昼、けたたましくスピーカーから流れるT君の声で目が覚めた。

T君とは、最近私達夫婦の間で大人気のT氏のこと。

現役の区議会議員である。

すでに立派なオヤジなのだが、我が家では親しみを込めて

”君づけ”をさせて頂いている。


初めてT君を私が知ったのは、一ヶ月ぐらい前。

帰ってきた旦那に「最近さ〜、駅に面白い人が立ってんだよ〜」と

教えてもらったことによる。

旦那の話では、彼は当選5回のベテラン区議会議員だそうだ。

この区で20年も区政に携わっているというのに、、

面白いって言われちゃ〜、、彼も泣くに泣けなかろう。


その日以来、毎夜我が家では、

旦那による「今日のT君報告」が行われるようになり、

彼の人気はどんどん上がっていったのであった。



T君の人気の秘密。それは彼の区民へ接し方と、選挙を戦うその姿勢にあった。

以下は旦那からの伝聞を私がまとめたものである。


朝、彼は顔だけをニコニコさせ、直立不動で駅の出口から

少し離れた場所に立つ。

通勤であわただしい時間帯のこと、区民のみなさまの出勤の邪魔

になってはいけないという心憎いばかりの配慮がそこに見て取れる。

そして彼は自分の前を人が通るたびに

「おはようございま〜す」

「いってらっしゃ〜い」

「気をつけて〜」

と、みどりのおばさんのように声をかけ続けるのだ。

ここ数年、にょきにょきと大きいマンションが立ってしまった我が町。

人口の流入も甚だしい。

通勤人達の数も半端ではないハズなのだが、彼は手を抜かない。

例え誰も答えてくれなくとも、雨の日も風の日も、

「おはようございま〜す」

「いってらっしゃ〜い」

「気をつけて〜」

と、一ぼっちで区民に声をかける。


駅には他に2〜3人の助っ人に華々しく囲まれた別の候補者も

いるらしい。

そんな彼らを者ともせず、T君はいつもマイペース。

一人で立ち、一人で帰る。

脇に立てかけた宣伝用の名入りののぼりも、他の候補者とは違い、

一人ぼっちでかたづける。

「戦いには常に孤独がつきまとう」

他力本願ではないその姿勢。

挨拶をしているだけ、と思わせといて、実はこの難しい現代社会を

生き抜いていく上での「心構え」までをも区民に説いているのである。


で、肝心要のその公約は?というと、、それは不明。

話そうという気はあるらしいのだが、人が通れば即挨拶!が彼の信条なので、

「みなさま〜私が○○でごさ・・」と話して・・・・

「おはようございま〜す」

「このたび・・・・」と話して・・・

「いってらっしゃ〜い」

「この区をもっと良くするために・・・」と話して・・

「気をつけて・・・」

といったように、公約が民謡の合いの手、「ア〜ラ、エッサササァ〜」みたいに

なってしまい、区政という大舞台で彼が何をしたいのか、

まったく分からないのであった。


心ゆくまで挨拶をし、どこへ行くのかトコトコ帰るT君。

その時、彼の胸中は

「今日の挨拶は良かった。良く声が出ていた」とか

「明日は”気をつけて〜”に”お”をつけて”お気をつけて〜”に
 してみるか・・」

などと前向な反省でいっぱいに違いない。



我が家で大人気の彼。

最近では私たち夫婦に「いってらっしゃいおじさん」とまで呼ばれている。




T区議の検討を祈る。



おしまい。


...




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