台所のすみっちょ...風子

 

 

君死にたもうことなかれ - 2003年03月21日(金)

夕方、洗濯屋に旦那のいっちょうらのセーターを取りにゆく。

「今晩は〜!!できてますぅ〜?」

ガラスの引き戸を開け、私がそう挨拶するや否や、

「戦争始まっちゃったね〜〜、、」と仲良しのおばちゃん。

店の中にはさっきつけたばかりだというラジオから、

興奮気味なアナウンサーの声が響いていた。

「アメリカは何考えてんだか・・」なんて私が言うと

「アメリカはね、空襲をうけたことのない国なのよ!
 イギリスだって、ドイツだって、イタリアだって、
 前の戦争でやられたのに・・特に日本なんて・・・
 何が空爆よ!空襲の怖さを知らないからあんなに
 気軽にポンポン爆弾落とせんのよ・・・・・
 ・・・・本当にどんなに恐ろしいか・・・・・」

おばちゃんは時々声を詰まらせる。

シュークリームを少しだけ崩したような、ふにゃりとした顔が

少しこわばっていた。


彼女は、50歳ちょっと。先の戦争を自らが体験したとは思えない。

物心ついた頃はきっと、その爪痕が彼女の周りにもまだ残っていたのだろう。

そして今、息子を持つ母の身になった彼女の戦争に対する悲しみは、

一層強いものとなった。




ああおとうとよ 君を泣く
  君しにたもうことなかれ
  末に生まれし君なれば
  親のなさけはまさりしも
  親は刃をにぎらせて
  人を殺せと教えしや
  人を殺して死ねよとて
  二十四までをそだてしや

与謝野晶子が日露戦争に出兵した弟を詠んだ詩の一文。

あなたは、人を殺すためにその尊い命を授かったのか。

人が人を殺してゆく・・あなたはそんな愚かな事で死んではいけない・・と。


戦場へゆく人への想い。


戦争を愚かな事だと思う心。


それは人である以上、イラクでもアメリカでも同じはずだ。


おしまい。


...




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