台所のすみっちょ...風子

 

 

あの時のように・・。 - 2002年12月17日(火)

友人から「これ貰い物だけどぉ〜」と言われて

ニンニク甘津漬けをもらった。

小粒のニンニクがらっきょのような透明感と、艶

を持って、袋の汁の中で泳いでいる。

なんて、美味しそうなのか。

長年、この手のニンニク物を控えていた私には、

とんだ誘惑であった。

ニンニク醤油漬け、たまり漬け、ニンニクのみそ漬け・・

私がニンニク加工物を絶って、早20年近くになる。

それは学生時代、実家に帰省中に冷蔵庫にあったニンニク醤油漬けの瓶を

うっかり見つけてしまったことから始まった。

そんなもの食ったこともなかった私であったが、意を決して、

恐る恐る口に入れてみると、あらビックリ。

もの凄く旨かったのであった。

そして、ニンニク達はどんどんするする口の中に入って行き、

ついにはその場で一瓶食い上げてしまった。

あっという間に平らげてしまった私に母は胃を悪くすると

非常に心配したようだったが、

私はと言えば

「ニンニクは健康食品だから元気になれこそすれ、

体を悪くする事などまったくない!」

と思っていたので、胃がもたれるどころか、逆に自分がワンダーウーマンに

でもなったように、力がむくむくとわき出る感さえあった。

だが、翌日、私は自分の顔を見て驚いた。

顔中に無数の赤い小さい吹き出物ができていたからであった。

明らかに「内蔵悪いぞ!」と鏡の中に自分は言っている。

もともと、肌は綺麗でもなんでもないが、その多さがちょっと化け物。



それ以来、ニンニク加工物=化け物の素、というイメージは拭い切れない。

が、友人からニンニクを貰って、私はもう一度それを口にすることを決意

した。

家に帰って早速夕飯のお供としていただく。

あの時と同じように、初めは恐る恐る慎重にニンニクを口に運び、そしてカリっと

噛んでみる。

初めに甘酢の香りが舌から鼻へスワ〜〜っと抜け、後からニンニク独特の味が

口の中に広がった。

美味しい。

もっと美味しくなりたいと思った私の手があれよあれよと言う間に

口の中にニンニク達を運んでゆく。

面白いようにするすると口の中に吸い込まれてゆくニンニク達。

ハッと気付くと、早くも半分が無くなっていた。

あの時の二の舞になるところであった。


いけない。ニンニクの食い過ぎは、化け物への第一歩。

しかし、頭をよぎる悪魔の声。

「おいしいならもっと食ったらいいのに〜」

残り半分は、これから少しづつ食べようと思いつつ。

目がニンニクから離れない。

そう、あの時のように・・・・・。


おしまい。


...




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