台所のすみっちょ...風子

 

 

冬の装い - 2002年11月25日(月)

大変なことである。

着るものがないのである。

最近の私の外出の際の恰好といったら、

来る日も来る日も同じブーツカットに同じ黒いタートルの

セーター。

その服たち、このところ毎度同じなのでもはやタンスにしまうまでもなく、

「おでかけセット」として椅子の上にたたんで置きっぱなし。

タンス要らず。



私はそれを今まで、まだ衣替えを完全にしてないせいだとばかり

思っていた。

ところが、違った。夏ものと入れ変えてみてもないのである。

この可愛そうな自分を私はあの雀の出てくる哀れなお話、

「舌切り雀」を文字って「着たきり雀」と呼んでいる。

冬の寒空にちゅんちゅんと泣く小さい雀の姿は、

洋服もなくこれまた冬の寒空にヒ〜ヒ〜寒がる私と

”社会の片隅で生きるちっぽけな弱者”という点

でそっくりだ。

いったい、私は去年まで何を着て生きていたのか?

まさか、裸だったのではあるまいか?

冬の間中、裸。そう裸の王様である。

いや、絶対そうだ。そうとしか考えられない。

そんな疑問を旦那にぶつけてみたところ、

ちょっとだけ苦笑いして、まったく返答もなかったのは

いったいどういうことだろう。

このままだと、なんか自分がどんどん臭くなり、電車の中でも臭って

しまいそうである。


今週も外出はけっこうある。

まだイケルかな?と思わず臭いを嗅いでしまいそうになる私であった。

おしまい。



...




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