今日もガサゴソ
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中学生の頃 学校の近くの書店に、毎日立ち寄りました。 店主と父が親しかったのと、立ち読みをしないのが 気に入られて、店の隅っこには 私の専用のスツールまでありました。
お店の裏口の向かいには 消防署があって、 若い消防士さんたちが ちょくちょく本屋に顔を出していました。
私からみると とても忙しそうには見えず、 地域の子供たちにもよく目配りをしていて 頼もしいようなそうでないような 素敵なお兄さんたちがたむろしている、という感じでした。
通学の途中にいきなり消防車に横付けされて ビックリ!ってなこともありました。
よお!ふくろうちゃん(苦しいですが、勘弁を) おいらたち、働いてんだぜっ
そりゃー結構ですが、 消防が働くって、めでたくないですよね〜
く〜! かわいくね〜ぞぉぉぉ〜
いえいえ、火事の現場に急行中にさぼっているのでは ありません。 前夜にボヤのあった家を 点検に行った帰りだったそうです。
いつものように 本屋の隅っこで友達とおしゃべりしていると 顔見知りの消防士さんの一人が 話しかけてきました。
中学校が火事になったらさ、 俺は命懸けてふくろうちゃん、助けるぜ。
ふ〜ん
命だぜっ。
みんなを助けるんでしょ。
い〜んやっ! 俺は、ふくろうちゃんを助ける。
生徒がいっぱいで見つからないよきっと。
俺は見つけるね。 絶対、見つける。
ふんふん、それで?
そのくらい、命懸けるんだぜ。 そうしたら、どう思う? 俺のこと、少しは好きになる?
ん〜、わかんないけど〜、 火事になって助けてもらったら そんな気になるかも〜。
く〜!
って、おじさん、もしかしてロリコン?
消防士さん、退場。 本屋のお姉さん笑う笑う。
私としては、当時、私のために 命懸けどころか、指一本動かすのも面倒くさそうな 男の子に恋をしていて 火事場の命懸けの話をされても困るだけなのでした。
あのうつむいた木訥な消防士さんが 冗談やなにかで 命を懸ける話をしたのではないと知っていました。
消防士さん、 ふくろうボタンは、生意気な中学生でした。 ごめんなさい。
おばさんになっても、ふくろうボタンは 消防車が向こうからくると 消防士さんたちが ヤッホ〜と 手を振ってくれるような気がします。
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