今日もガサゴソ
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私の実家は川のそばにあります。 河原は石だらけで 昔は砂利の採掘をしていました。
川にちかづいてはいけない、と 厳しく申し渡されていました。
ある時、 父に連れられて 弟とともに河原の散歩をしました。
父が少し前の方を指さします。
そこには、ナイフで切り取ったような 四角い小さなプールのような穴が開いているのです。 1メートルほど下がったところに 水面があり、 綺麗な空色の水がたまっています。 河原の白い石がくっきりと見えて 魚も植物もない 奇妙で美しい穴です。
弟が父に促されて 石を投げました。 弟は頑張って、大きな石を落としました。
石は トプン と拍子抜けするような のみこまれるような音を立てて 揺れながら落ちていき 穴の底でコツンと音をたてました。
水の深さが想像以上であることがわかり 恐ろしくなりました。 穴の壁は垂直で、落ちたら 自力で登れるとは思えません。
父は私たちに大きな声を出すように言いました。
どんなに叫んでも 川の音で 私たちの声はのみこまれてしまいます。
ここで こんな穴に落ちてしまったら 泳ぐことができたとしても とうてい助かることはできないのだと 気付かされたのでした。
それ以来、 水の色 石の河原 そして、ざわめく川の音が 夢に出てくるようになりました。
とっぷりと静かな水面に 空が映っていました。
河原の石の下にも 水があるのだと気付いて 立っている足下が崩れ去るような気がして
今でも 時々、恐ろしい思いをします。
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