今日もガサゴソ
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桃の節句は過ぎたのだけれど せっかく思い出したので書いておきます。
父方の従姉妹は素晴らしい おひなさまを持たされた、という話でした。
従姉妹は、伯父が結婚後一ヶ月目で出征したあとに 生まれました。 父の実家は大家族で雑貨商を営んでいて 戦前は大変羽振りが良かったそうです。 生まれた従姉妹のために、 伯母がおひなさまを一式買ったのだそうです。 それを知った本物志向の祖母が激怒しておひなさまを返品し、 同じ値段のお内裏様と取り替えさせたそうです。 翌年には官女を。その翌年には五人囃子を というふうに、雛壇が丸ごと買えるほどの値段の おひなさまを十年くらいかけてそろえたのだそうです。
伯父は二年後に休暇で二ヶ月ほどもどり、 再び南方に赴き、まもなく戦死しました。 翌年、男の子が生まれました。
私が物心ついた頃には 従姉妹はお嫁さんになっていて、 なかなか会う機会もありませんでしたので そのおひなさまの消息はわかりません。
でも、従姉妹が木目込み人形の教室を持ったと聞いて それを思い出すたびに なんだか泣きたくなってしまうのです。
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