今日もガサゴソ
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| 2003年01月19日(日) |
「私の保存食ノート」 |
お勉強さえちゃんとしていれば お手伝いなんてしなくてもいいのよ。 そんなことを 母が言うのでした。
勉強、ちゃんとするわけじゃないけれど そんな風に言われたら 引っ込みがつかなくなってしまいました。
夕飯の後片付けをしている母の背中が 孤独なものに見えて 複雑な思いはあふれるのだけれど 寝不足と欲求不満とが 不穏に発酵している反抗期で 自分を持て余してもいて。
15歳で進学を理由に家を出て下宿暮らしで。 17歳のときからアパートで一人暮らしを始めました。 日用品はひととおり両親が揃えてくれて 慌しく帰っていった夜、 これから一生、自分でご飯の支度をしなくてはならないのかと 暗澹たる気持ちでいっぱいでした。 流しに立ったら、まな板がありませんでした。
洗濯機も掃除機もテレビもない、 共同のお風呂とお手洗いのアパートで 孤独と自由とそれなりの貧乏を味わいながら 何とか食事に事欠くことなく過ごしました。
そんな風にはじまった台所で 私が恋しかったのは 母の愛読書だった 「私の保存食ノート」という本に載っていた 美しい文章と保存食の味なのでした。
結婚したばかりの頃、 再販になっていたこの本を本屋で見つけたとき とても嬉しくてたまりませんでした。
この本は 「私の保存食ノート」佐藤雅子著 文化出版局
台所を預かる主婦の心得と工夫の喜びが 豊かに綴られています。 同じ著者の「私の洋風料理ノート」 それからエッセイ集「季節のうた」があります。
素晴らしい教科書に恵まれながら 私の料理の腕はサッパリで、失敗ばかりです。 それでも「私にはこの本がある!」と心強いのです。
私は我が子には男女の関わりなく 台所に立って成長して欲しいと思います。 美食ではなく、質の高い食生活を身につけながら 大人になって欲しいと思います。
子供が飴をねだって無視され続けて とうとう「梅干ちょうだい」と言うようになり ほくそえんでいます。
今日から去年の夏に漬けた梅干を使いはじめました。 まだフレッシュな固さが残っています。
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