今日もガサゴソ
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2003年01月16日(木) 鉄瓶とやかんと 2

17歳でアパートで一人暮らしを始めたとき
両親が日用品をひととおり揃えてくれました。

学生ですねかじりの身では贅沢はいえなかったのだけれど
ペコペコ音の出そうなやかんだけは我慢できずに
ホーローのやかんを買ってくれるようねだって
叱られました。

いつか気に入ったものを買おう!と決めたけれど
なかなかその機会がないままに
鉄瓶と笛吹きケトルにたどり着いてしまったわけです。

鉄瓶が使いこなせないのはまあ仕方がないとして
この千円のケトル、
使えば使うほど醜くなっていくのです。
焼けが出たり、汚れが落ちにくかったりで
スチールたわしでゴシゴシ、なんていじめるから余計に
醜いんです。
そして、一番悪いのは、音。
牧歌的なはずのハーモニカって
こんな大音声だったの?
そうよ、早くお湯が沸くように強火でガンガン炊くから
すんごい音になちゃうのよ。シクシク。
いっそ捨ててしまえばいいのに
使えるものを捨てるなんてできないのよ。
貧乏性で、とほほ。

最近、十五年の酷使にとうとう笛吹きケトルの笛が壊れました。
(ものが壊れてホッとするなんてことがあるなんて、情けない。)

さあ、鉄瓶の出番じゃ!
と、また、鉄瓶を引っ張り出して
お湯を沸かしたり、から焼きしたり。
お茶を沸かすと膜がつきやすいとも聞いて試したり。

使うつどにお湯を沸かす、というなんだか
脅迫じみたスロウライフのために
魔法瓶までお蔵入りして
ニコニコ取り組んだのです。

が、やはり、だめでした。

錆はとめどなくわいてくる。
低血圧でふらふらな朝の戦争時刻に
亭主のお弁当用のお湯も沸かすとなると
容量も足りないのです。
ガスレンジの数からしていつまでも鉄瓶に
居座ってもらうわけにはいかないのです。

私はまた衝動買いしてしまいました。
ステンレスの3ℓやかん。
形が、ラグビー部のマネージャーだった頃
つかんで走り回ったアレとそっくりなんです。

鉄瓶はまた憧れの生活の象徴となりました。

今のやかんは沸騰しても笛を吹かないけれど
子供が「わいてるよ」と教えてくれるのでOK。

そのうちまた
丁寧な暮らし云々の気分がわいてきたら
おいしいお湯を飲もう。

鉄瓶で沸かしたお湯は
本当においしんだよ。


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