今日もガサゴソ
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2003年01月15日(水) 鉄瓶とやかんと 1

贅沢はできなくても、せめて、
心を込めた、丁寧な暮らしを営んでいきたい、と
時々、妙な願望が湧いてきて困ります。

結婚まもなくのゴールデンウィークに
夫の実家で、親類縁者が大勢集まって
私たちの結婚のお祝いをしてくれました。

お祝いに頂戴したお金で何か
記念になるものを買おうということになり
私の提案で砂鉄の鉄瓶を買うことにしました。

砂鉄を鋳造できる職人は大分少なくなって
後継者もなかなか居ないと聞いていて、
今のうちに手に入れておきたいなと考えたのでした。
本当は砂鉄の茶釜が欲しかったのですが
とても手が出るような値段ではありませんでした。

子供の頃、製鉄で栄えた町で育ち、
鉄製品が身近だったのです。
ストーブの上でチンチン音をたてて
湯気を上げる鉄瓶や釜を
いつも懐かしいと思っていました。
家庭には鉄瓶くらい欲しかったのです。
亭主は鉄瓶をわざわざ欲しがる嫁をどう思ったか
知りませんが、
普通の鉄瓶と燻し銀に光る砂鉄の鉄瓶を並べると
迷わず砂鉄を選んでくれました。

さて、その鉄瓶なんですが、
使った後必ず弱火で水分を飛ばしておかないと
あっという間にさびが出てしまいます。
十分焼いたと思っても
なかなかうまくいきません。
湯垢が付いてしまえば錆に悩むことは
なくなるらしいのですが、
どうしてもうまくいかないのです。

かなり頑張ったのですが、とうとう音を上げて
仕方なしに、近所のスーパーで買った
「ハーモニカの音で知らせます」という牧歌的コピーに
釣られて千円の笛吹きケトルを使うことになりました。

鉄瓶は玄関の飾り物になってしまいました。


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