いっしょくんの日記

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なんとなく 書くんで〜
なんとなく 読んで下さいね。

2002年10月18日(金)  笑顔

 
 有料痴呆棟への道のり
 やっと迷わずに且つスピーディーに移動できるようになりました
 先々週に引き続き お風呂に行き
 今日のお手伝いをうかがいます
 そして先々週に引き続いて
 痴呆の女性と過ごす事になりました

 前回はお風呂場に座ったままで
 徘徊防止をしていました
 今日は入浴準備室というところで
 ストレッチャーを新しいオムツで拭いています
 ストレッチャーは寝たきりの方を乗せて
 お風呂などの移動をするときに使います
 使っていないものが置いてあり
 丁寧に拭いているのです
 この女性 片付けることが身についているようで
 何でも片付けたり 拭いたりしています

 外は雨上がりで 足場が悪く
 滑ったりしてはいけないと
 館内散歩をすることにしました
 以前この方も生活されていた 有料棟・・・
 ご本人が嫌がられたらどうしようと心配しつつ
 エレベーターと長い廊下を移動します
 あるところまで来ると 「あらお久しぶり」
 と この方を知る人たちが声をかけます
 もちろん痴呆が進んでしまったこともご存知のようです
 「おだいじになさってね」 
 と 過ぎていかれます
 
 以前使っていた玄関 食堂などを回ると
 所々 「これは素晴らしいのよ」「この裏側もあるの」
 と 記憶が残っています 不思議なものです

 食堂から台所を覗くと 調理師さんからも
 声がかかります 「おひさしぶりです お元気そうですね」
 にこにこと笑顔だけで応対されます
 と 私たちが館内を歩いていることを
 知っているヘルパーさんが
 「いいですねぇ どなたとご一緒ですか?」
 とたずねます
 私をよーく見て 答えに困ります
 「娘さんですか?」
 と ヘルパーさんの助け舟
 「えぇ そうなのよ」
 と答えてくださいます 気を使ってくださったのか
 そうだといいと思われたのか
 私は「むすめさん」にしていただきました
 この方の頭の中には 否定するものなど何も無くていい
 そんな気持ちになります
 
 痴呆棟に戻り 二人きりで折り紙をします
 前回は とんぼを差し上げたら
 なんとしても返してよこしたので
 今回も恐る恐る新しい紙を 一枚差し出しました
 「まぁ・・・りっぱなものを・・・きれいな紙ね・・・」
 手にとって表と裏を何度も見返します
 私がやっこさんを折ると 突然スルスルっとおりはじめ
 角をぴちっと合わせた 四角い袋折りが出来たのです
 「すごい・・・角がずれていないですね!」
 と びっくりしていると
 「わからないけどこうなったわね・・・」
 と 戸惑います
 指が覚えていたのでしょうか・・・
 繋がらなくなってしまった記憶も
 何かのきっかけで 繋がるようです
 でもすぐに途切れてしまって・・・

 脳の中でいったい何が起こるのでしょうね・・・・

 食事介助のお手伝いをして戻ってきました



 

       笑顔 (A婦人)


   いつどんなときに笑っていたのかな

   誰にこんな笑顔を見せていたのだろう

   この笑顔でどれほどの人が癒され

   この笑顔を見たいと思ったのだろうか

   決して忘れることがないのは

   笑顔だけ・・・・・          


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