有料痴呆棟への道のり やっと迷わずに且つスピーディーに移動できるようになりました 先々週に引き続き お風呂に行き 今日のお手伝いをうかがいます そして先々週に引き続いて 痴呆の女性と過ごす事になりました
前回はお風呂場に座ったままで 徘徊防止をしていました 今日は入浴準備室というところで ストレッチャーを新しいオムツで拭いています ストレッチャーは寝たきりの方を乗せて お風呂などの移動をするときに使います 使っていないものが置いてあり 丁寧に拭いているのです この女性 片付けることが身についているようで 何でも片付けたり 拭いたりしています
外は雨上がりで 足場が悪く 滑ったりしてはいけないと 館内散歩をすることにしました 以前この方も生活されていた 有料棟・・・ ご本人が嫌がられたらどうしようと心配しつつ エレベーターと長い廊下を移動します あるところまで来ると 「あらお久しぶり」 と この方を知る人たちが声をかけます もちろん痴呆が進んでしまったこともご存知のようです 「おだいじになさってね」 と 過ぎていかれます 以前使っていた玄関 食堂などを回ると 所々 「これは素晴らしいのよ」「この裏側もあるの」 と 記憶が残っています 不思議なものです
食堂から台所を覗くと 調理師さんからも 声がかかります 「おひさしぶりです お元気そうですね」 にこにこと笑顔だけで応対されます と 私たちが館内を歩いていることを 知っているヘルパーさんが 「いいですねぇ どなたとご一緒ですか?」 とたずねます 私をよーく見て 答えに困ります 「娘さんですか?」 と ヘルパーさんの助け舟 「えぇ そうなのよ」 と答えてくださいます 気を使ってくださったのか そうだといいと思われたのか 私は「むすめさん」にしていただきました この方の頭の中には 否定するものなど何も無くていい そんな気持ちになります 痴呆棟に戻り 二人きりで折り紙をします 前回は とんぼを差し上げたら なんとしても返してよこしたので 今回も恐る恐る新しい紙を 一枚差し出しました 「まぁ・・・りっぱなものを・・・きれいな紙ね・・・」 手にとって表と裏を何度も見返します 私がやっこさんを折ると 突然スルスルっとおりはじめ 角をぴちっと合わせた 四角い袋折りが出来たのです 「すごい・・・角がずれていないですね!」 と びっくりしていると 「わからないけどこうなったわね・・・」 と 戸惑います 指が覚えていたのでしょうか・・・ 繋がらなくなってしまった記憶も 何かのきっかけで 繋がるようです でもすぐに途切れてしまって・・・
脳の中でいったい何が起こるのでしょうね・・・・
食事介助のお手伝いをして戻ってきました
笑顔 (A婦人)
いつどんなときに笑っていたのかな
誰にこんな笑顔を見せていたのだろう
この笑顔でどれほどの人が癒され
この笑顔を見たいと思ったのだろうか
決して忘れることがないのは
笑顔だけ・・・・・
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