三楽の仕事日記
DiaryINDEXpastwill


2011年07月19日(火) 数学の授業を語る

 私立高校はすでに夏季休業に入ったのか。乗車している高校生はごくわずか。いつも以上に余裕の津島線。椅子に横になってもいいほど(笑)。

 まずは連休中に選んでおいた提供資料ページを印刷、指導主事さんらに配付。

 台風接近による今後のスケジュールについて、いくつか連絡が入る。どのような状況となっても決行する事業、早々に延期決定の会議など、いずれも納得。

 職員の夏季動向一覧を確認しながら、自分の動向を決定。8月末までに訪問するところをチェックし、その準備。集中している週もあり、大まかな作業スケジュールを決める。さっそく作業にも入る。

 先日見させていただいたiPad活用の数学授業。その授業者らが助言を求めて来所。授業について話ができる喜びをかみしめながら(笑)の50分間。ご希望にお応えしてのたっぷりコース。話の要点は以下のとおり。

1 数学(授業)は生徒とともに創るものという演技を!知っていても知らないフリをする演技を!ちょっとぼけてみる!驚いてみる!

○ あれ、動かしてくれたところでも∠BACは50°だね。これはたまたま?
 → 「たまたま」と言う言葉は数学の舞台にのせる言葉。
→ 「たまたま」ではない。ならば法則? ← 数学的な考え方が引き出せる言葉。

○ こういう点はいくつあるの?いくつでもあるの?
 「20個でも30個でも点をとってくれればいい」と教師が言わない方がいい。
 → 数を問えばいい。数値なら答えやすい。当てずっぽうでも言える。理由を述べるより楽。つぶやくこともできる。
 → (数を聞いたうえで)へえ、そうなの。そんなにあるの。だったら実際に示してよ ← 作業をする必然性を生み出すこと。やらされている数学からの脱却。

○ この点とこの点の間も、こういうところ(弧の上)に点がくるの?
 「半円」だという生徒の言葉だけで、先生が円を描くのはまずい。
 → へえ、ここに描きに来てよ(生徒に活動させる)。
 → この点と点の間にもここに点がくるのだね。時々、はみ出てしまうことはないの?(ボケる)   
 → ない!どうして? ← 説明させたり証明させたりするための必要性を生み出す。
 → 「こういうところ」って、先生は言っているけど、数学用語で言うと何と言えばいいのかな? → できるだけ数学の世界に引き寄せる。
 → これって半円? ← 作業をさせてみて活動を振り返らせる。違うように思うけど。
 → (先生が書くとしても)「点、点、点、点・・・」と言いながら描き(点の集合を意識させる)、最後は「点が集まると線になる」と言う。

○ 半円っぽいって、その「ぽい」とはどういうこと?
 → 言語活動の充実は、生徒の言葉にこだわることから。「ぽい」という言葉は数学用語にはない。だから、その言葉にこだわるといい。「ぽい」から数学の舞台にのせる。

2 思考の言語化(見える化)させるために子どもに聞こう!

○ どんなことを考えて指を動かしていたの?
 → 頭に浮かんだことをすべて話させる → 同じように考えて動かしていた人は?
 → では、あなたはどんなことを考えたの?

○ コンパスの針のところが100°って、どういうこと?
 あの生徒の発言は実においしい言葉。問題文にはコンパスはない。だから生徒に突っ込むことができる。
 生徒の発言がよく分からないのなら、生徒にもどせばいい、他の生徒につなげればいい。自分一人で何とかしようと思うから焦る。整理がつかなくなる。
 →「問題文にはコンパスがないけど、あなたにはコンパスが見えるんだ?どこにあるの?あなたが見えていることを話してほしい」

 そのほか、僕が数学授業を行う上で心掛けていたことをいくつか。なんと楽しい時間だったことか(僕だけかもしれないけれど…)


2009年07月19日(日) 第16回いきいき寄席
2008年07月19日(土) 充実!学校評価研究会
2007年07月19日(木) 国際シンポジウムに登壇することに
2006年07月19日(水) 夢が広がった見える化会議
2005年07月19日(火) 危機管理の1日
2004年07月19日(月) 明日の準備など
2003年07月19日(土) 市内大会始まる