...ねね

 

 全てフィクションです

【DRESS】 - 2003年03月03日(月)

そうと決めたその日
両親が寝静まる深夜を待った。
楽しみで楽しみで仕方なかった。
気持ちが逸って寝ようと思っても眠れない程。
今夜着て行く洋服も選んである。
風になびいてフワフワした裾を体験したかったので
膝丈のギャザーがたくさん入ったスカートを選んだ。
髪が短いのでかつらが必要じゃないか・・・と考えた。が、
瑤子が
「ショートカットの女の子って感じでもイケるよ」
と言ってカチューシャを貸してくれたので
母の鏡台からウィッグを持ち出す必要もなくなった。
耳の後ろに髪をかけ、カチューシャをした自分の顔を
鏡で確認したりしながら作戦決行までの時間を過ごした。

深夜になり、妹達が自分の部屋に来るのを待っていたが
いつまで経っても彼女らは来ない。
痺れを切らして部屋を覗きに行くと・・・
布団を蹴って斜めに寝ている由希と瑤子がそこにいた。

僕は夜中まで起きている事が可能だが
さすがに由希は小5、瑤子は小6なのだ。
両親が寝るまで、そしてそれから外出出来るほど
起きてはいられなかった。
少し考えれば当然の事なんだが
僕は一人悶々とした気持ちを抱えながら
その日は床に就くことにした。


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