...ねね

 

 全てフィクションです

【父との秘密】家を出る - 2002年07月29日(月)

母はあたしの味方にはなれないのかな・・・

そんな事を考えながら、あたしは荷物を整理した。
ガラスの破片を避けながら、普段使う物を片っ端から詰めていく。
きっと今度はいつでも好きな時には帰ってこられない。
祖母の家はそう離れているわけではなかったが
学校までは少し遠い。
しかし今更転校するほどでもないし、卒業まであとわずかだ。
そろそろ進学の事も考えなくてはいけない時期だ。

そんな時に、あたし達家族はバラバラになったのだった。

これで、もう嫌な事は起こらないと思うと嬉しくなったが、
これで家族が崩壊した事になると思うと、悲しくもあった。
母が自分を受け入れてくれないかもしれないと思うと
心底いたたまれない気持ちになった。

そんな事を思いながら荷物をバッグに詰めていると
ふいに弟がドアを開けた。

「俺も行く」

母は弟には特に何も言わなかったので、
あんたがそこまでする事ないのに、と言うと
俺もあんな奴とは一緒にいられない、と言った。
あたし達は、二人で祖母の家に向かう事にした。



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