CYMA’S MURMUR

2007年03月21日(水)   勤労感謝の日


『沖で待つ』を読んだ。面白かった。
雰囲気のいい話だった。

最初の短編「勤労感謝の日」 は、随所随所で笑いながら読んだ。
36歳で未婚、無職でハローワーク通い中の女性のお話で、
「わかる、わかる!」という感じ。

芥川賞受賞の「沖で待つ」は、
感想を一口で言っちゃうと「同期っていいよね」っていう
馬鹿みたいなことになっちゃうんだけど、淡い空気が良かった。
私にとっても「同期」って特別な位置にあるから。

で、「勤労感謝の日」、なのですが、
こういう小説って私と同じような立場以外の人はどう読むのかな?と思った。
たとえばウチの母くらいの年代とか、男性とか・・・
まぁ単純に笑いながら軽く流すだけかもしれないけど。

30代女性の未婚率もあがってるし(特に東京では)、
もはや未婚女性はマイノリティではない。

「未婚」ではなく用語としては「非婚」が正しいよな。
「未だ」だけどそのうち結婚する、ってわけじゃないもん。

30代や40代の非婚女性を主役にしたお話も、
決して特殊ではなく、よくある日常的な話だと言うことだ。
私にとっては理解も共感もできるけど、他の人はどうなんでしょう?

私は結婚したいわけではないけれど(多分)、
「結婚しないことによって被る不利益」ってものを
必要以上に恐れている節がある。

実際のところは、世間の嫌味や親からの干渉や
職場での不適切発言に悩まされたことはない。

「パラサイト」だの「負け犬」だの
色々な呼び名を貼り付けられた後に、
ようやく「非婚」が市民権を得つつあるのではないだろうか。
そしてそれは私にとっては都合のいいこと・・・

生物学的に考えると、
番わず子孫を残さないのは異端なのかもしれない。
性交と出産と結婚はそれぞれ別の行為ではあるけれど。

何が言いたいかわかんなくなってきた(笑)。

ようするに、非婚女子も生き易い世の中でよかったな、と。

そんな結論かい!

それにしても、あっという間に月日が流れる今、
よほどのことがない限り私は一生ひとりなのでしょう。

私がまだ若かりし頃、母は言った。

 40になってひとりだと寂しいわよ。
 私はその頃初めて『家族がいてよかった』と思ったの。

今も言う。

 結婚はしてもしなくてもいいけど、
 誰かいると安心でしょ。

どうなんでしょうね。

「40でひとりだと寂しい」というのを
当時は単純な予測として聞いていた。
「そんな先のこと言われたって知らないよ」と思ってた。

でも40目前の今(まだ5年以上あるとはいえ)、
同じ「40でひとりだと寂しい」は、
まるで呪いのように私に響く。

言霊ってのがあるわけで。
だからあんまりこの言葉について考えないほうがいいとは思うのだけれど。

少なくとも私は選択の自由を手にしている。
恋愛においては「相手の気持ち」という
自力ではコントロール不可能な要因があるけれど、

そういう意味で、自由の対価が寂しさだとしたら・・・
仕方ないのかもねぇ・・・





■"1st To Die"の単語
chiseled のみで彫刻した、整った、輪郭のはっきりした
ruse 策略、計略
culpability 過失性
resplendent まばゆい、キラキラ輝
nexus 結び付き、重なり方
leukemia 白血病
※あと2回くらい出てくれば覚えられそう
degenerative (病気などが)徐々に悪くなる、退行性の
premonition 予感、兆候
forensic 法医学の
phat 組みやすい原稿、植字しやすい、とてもよい
steam 激怒する、激怒させる
gecko ヤモリ
kick-out 追い出す、退学させる、解雇する
orthodoxy 正統性
veritas 真理
stammer どもる、口ごもる





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