CYMA’S MURMUR

2004年10月23日(土)   形見


あんまりモノが欲しいとは思わない。

多分それは愛された記憶があるから。
確かな気持ちがあるから。
モノなんかに託さなくても大丈夫だから。
きっと。

妹は、泥の中から発見された小銭入れが欲しかったと言う。
それは叔父があまり何も考えず、
従弟に与えていたのだけれども。

でも実は私の手許には形見と呼べるようなものがある。
手巻きの腕時計。
これは曾祖母から祖母に渡った品物で、
そして母を飛び越えて私の手許にある。
もらったのは、たしか、10年くらい前かな。
全然使っていないのだけれど、
ちゃんとベルトをつけて使おうと思う。
結構イイモノだし。

でも、大切なのは、モノより気持ち。

と言いながら、やっぱり目に見える拠り所が必要なのかな。

今日は、休日出勤後に、実家に寄った。
土砂から奇跡的に発見された祖母のアルバムの写真を整理するため。

時系列でもなんでもなく、
余っていた写真を適当に貼っただけという、
いい加減なポリシーのアルバムだったのが幸いした。

子供時代の祖母から、
祖父母の結婚式の1枚や、
小学生時代の私と祖母が写るものまで、
バラエティに富んだ写真があるのだ。

その中で、何を焼き増しするか、検討した。
私と妹は、
それぞれ子供時代の自分と祖母が写っている写真と、
若かりし祖母のアップ(ブロマイドちっく)の原本を、
思い出として持ち帰ることとし、
それ以外に祖父母のツーショットや、
結婚式の写真を焼き増すことにした。

写真の中の曽祖父の顔が、
また従弟の顔にとても似ていたりして面白かった。

祖母の初恋の人、と思しき写真も出てきた。

祖母亡き後、祖母の小姑から聞いたのだけれど、
祖母には初恋の人がいて、
でもその人は戦争に行ってしまい、
それで祖父と結婚することになったらしい。

そういう話、もっとちゃんと聞いておけばよかったな。
まぁ聞いても「秘密」って言われちゃうかもしれないけど。




大して遺産があるわけでもないし、
偏屈な親戚がいるわけでもないのだけれど、
事後処理は結構面倒。

今後、親が年老いていくこととか、
いずれ(普通に行けば)私より先に死ぬだろうことを、
考えないわけにはいかない。

妹がいて、本当に良かったなと思う。

世の中の1人っ子は、
親の死を受け止めるのも大変だろうな。

妹を生んでくれた、両親に感謝だな。

元々、妹は私と正反対で、
性格もよく、行動力もあり、とてもいい子なのだけれども、
家族として色々分かち合えるきょうだいというのは、
本当に大切な存在だなぁ。




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