一週間ばかり、母は留守をしていた。
父には「千葉の姪が病気で看病に行かなければならないから」ということで口裏を合わせていた。父にとってその一週間は長かった。
「こんなに苦しい思いをしているのに、なんでいないんだ」と怒っていた。
デイから泣きながら帰ったこともある。
母を追う幼稚園児のようになっていた。
母からは何度も「私の恋人をよろしく」と言われていた。
実は母は父から離れ、友達と旅行に行ったのだ。父から離れられてうれしいと手放しに喜んでいたわけではない。後ろ髪を引かれる思いで出かけたのだった。
優しい言葉をかけると、父は甘える。 だから私には泣き言をたくさん言った。
「呼吸が苦しい。呼吸が苦しくて速くなる」
過呼吸になっている意味を教え、どうすればいいのかを教えた。
酸素飽和濃度を測る機械があって、それで数値がかなりいいので問題ないと言っても、実際に苦しいと訴え納得はしない。
精神安定剤を飲ませ「ゆっくり休もう」と言ったが、
「こんなもの飲んでも効かない」
と言うばかりか、私に殴りかかりそうになった。
姉は優しい言葉をかけないので、姉には泣き言を言わない。
じゃあ、優しい言葉をかけない方がいいのか・・・。
自分に置き換えてみた。
やはり優しい言葉をかけてくれる主人が好きだし、その方が気持ちが楽になる。
姉は主人から自立しろと言うが、それでは何のために結婚したのだろうと思ってしまう。
先週の土曜日、母が帰って来た。 その時の様子がどうだったかなど詳しいことは聞いていない。
しかし、その後父に会い、父の状態が落ち着いたことは事実だ。 母がいないと不安になってしまう父の気持ちがよくわかる。
夏休み、父と母を青森の実家に連れて行こうと計画している。 それが父にとってどういうことになるのか、行ってみなければわからない。 もしかしたら逆効果になってしまうかもしれないが、決行するつもりだ。
父母は約6年自分の家に住んでいない。こっちに来て入退院を繰り返し、最初は私の家、今は姉の家にいる。6年ぶりの青森は父にとってどう映るのだろう。
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