二葉は24日(木)に小学校を卒業した。しかも、みんなと一緒の式ではなく、たった一人の卒業式。
二葉が不登校になったのは、4年の一学期と5年の三学期から卒業までの間。6年は一日しかクラスに入っていない。何度か保健室や研修室登校をしたが、三学期になると中学への希望の方が強くて、小学校のことは考えたくないと思うようになったらしい。これから先のことを考えるのもいいが、けじめをつける意味でも卒業式には出てほしかった。たとえみんなと同じ舞台に立たなくても。
校長室で卒業証書を受け取るということに決めていた。私もそのつもりでいたが、校長先生が「せっかく体育館もそのままにしてあるから・・・どう?体育館でやりませんか?」と言って下さった。二葉は「校長室でもらう」と言ったが、3年の時の担任が「行こう!行こう!」と二葉の腕を引っ張った。二葉は泣いていた。この時私は親としてどうしたらいいのだろうと瞬時に考えた。校長先生や今の担任なら「二葉が嫌がっているから」と「校長室でお願いします」言っていたかも知れない。でも、二葉は3年の時の担任を慕っていた。だから流れに任せてみようと思った。
赤いカーペットの上を歩き、一番前の席に座った。涙が止まらない娘になんと声をかけたらいいかわからなかった。進行役の先生が二葉に説明をしてくれた。とても優しくゆっくりと3回。「もう一回言おうか?」と先生が言うと、二葉は「いえ、いいです」と言った。そして「もしよかったらお母さんと一緒に上がって下さい。二葉ちゃんの準備ができたら合図をして下さい」と言ってその場を去った。
私は二葉の顔を見ていた。 ハンカチを渡して、「大丈夫?」と聞いた。二葉が「一人で行く」と言い、私は手をあげて先生に合図をした。
そして一人の卒業式が始まった。 先生に教えられたように、名前を呼ばれて返事をし、私の隣を離れて歩いて行った。卒業証書を受け取る娘。校長先生、教頭先生、担任、教務主任、6年生の先生方、3年生の時の担任に大きな拍手をもらった。
こうして、うちの子供達は二人とも一人きりの卒業式を経験した。一生の時は、涙涙だった。先生一人一人に感謝の気持ちを伝えた。 でも・・・・ 二人目ともなると私も慣れてしまったのか、涙がじわ〜っと出て終わりだった^^;
担任が「今までこんなことがなかったものですから、私もどうしていいかわからずに、とにかく元気に学校に来てくれることを願っていました。クラスのみんなにもどんな風に伝えたらいいかわからなくて。でも友達は最後まで『二葉ちゃん来るかな?』って言ってました。そんな友達の気持ちはわかって下さい」と涙声で話してくれた。担任としての責任もあっただろうし、先生の気持ちはとてもよくわかった。
あんなに嫌がっていた写真も卒業式に撮ることができて、アルバムに間に合うことになった。
担任のことをとても嫌っていた二葉だが、最後には先生と握手をして笑顔で別れた。
「春のにおいがするね」
と二葉が言った。
成長した娘の姿を見るのはうれしいものだった。
さて、待望の中学校。スムーズに行くとはまだまだ思っていない。 (実家にて日記を書いています。帰ったら写真をアップします)
追伸
「お母さん。ごめんね。もう遅いんだけど・・・自分が悪いんだけど・・・卒業アルバムほしかったなぁ」
二葉がボソボソと言った。
「お母さんにまかせなさ〜い!要らないと言ってもちゃんと頼んでおきました。嫌がるから見せないつもりだったけどね」
と、言うと、
「ありがとう」
と素直な言葉が返って来た。
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