| 2003年02月26日(水) |
病人から看護婦になる瞬間 |
仕事以外はベッドの中にいることが多い時期があることと、そうでない時期があることに母は気付いている。
少し暖かい日には、冬眠していた動物が動き出すかのように活動する私を見て、 「動きが出て来たね」 と言う。
急に買い物がしたくなり、母を誘った。 二人で、「このキャミには前が大きく開いたTシャツがいい」とか、「夏に向けて白いバッグがほしいね」とか、そんな話をしながら急いでお店を見て回った。 途中で疲れて、 「3分座らせて」とベンチに座る私。70歳の母の方が体力がある。
2時から仕事だったので、ゆっくりはしていられず、 買い物のあと軽く食事をとりそそくさと家に帰った。
買い物をしている時はそうでもなかったが、家に帰ったとたんに重苦しい疲労感に襲われた。こんな状態じゃ働けない。30分でいいから眠りたい。
自主的に3時から働くことにして(そんなのいいんか〜?ーー;)、目覚ましを2時40分に合わせた。目覚ましが鳴っても起きられず、一生に 「インスタントでもいいからコーヒーをいれてちょうだい」と頼んだ。
一生が「ここに置くよ」と机の上に置いてくれたのは、インスタントではなく、ちゃんと豆からいれたコーヒーだった。
「本物をいれてくれたんだね」
やっと起きてコーヒーを飲む。一生にお礼を言い、 「行かなきゃ」を10回ぐらい心の中で繰り返して、家を出た。
病院に着いたのは2時59分で、急いでキャップをつけて外来へ。
先生に、 「今日誰か清拭してくれた?」と聞かれる。 「すみません。調子が悪かったので、今来たばかりなんです」 と答えると、
「Mさん、シャワー浴してくれない?」 と先生。
先生・・・・体調が悪かったから遅く来たんですけど・・・・ なんて言えるはずもなく、
「わかりました」と言う私。
そのMさんというのがまた大変な患者で・・・・
1人暮らしで、いつ洋服を取り替えているかわからない。お風呂もいつ入っているのやら、という状態らしい。デイケアで病院に来ていると、悪臭がするため他の患者から苦情が来ると言う。それでもシャワー浴なども拒絶するらしい。
「Mさん、シャワー浴びましょうか?」と言うと、 「明日、介護の人が来るからいいよ」と断られる。 Mさんはそうやって促してもYESとは言わない。 「でも、今日は暖かいから、シャワーを浴びてきれいにしましょうよ」と半ば強引にシャワールームの方へ連れて行く。
車椅子から一歩も歩けないと言うMさんだが、私が手を貸してシャワールームまで7歩歩いた。 夏のように、短パン&Tシャツを準備していなかったため、白衣のままシャワールームに入った私は、びしょ濡れになってしまった。
身体を洗い、すべて終わった時、Mさんは 「きもちいい」と言った。 その一言を聞いただけで、吐き気がするほどの悪臭と闘いながらがんばった甲斐があったなぁとホッとする。
病人から看護婦に変身する瞬間のような気がした。
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