瞳's Cinema Diary
好きなスターや好みのジャンルにやたら甘い、普通の主婦の映画日記。
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2007年11月10日(土) 「博士の愛した数式」

2005年日本 監督 小泉堯史
キャスト 寺尾聰 深津絵里 齋藤隆成 吉岡秀隆 浅丘ルリ子

小川洋子さんの「博士の愛した数式」は第一回本屋大賞に輝いた(その頃書店に勤めていた)私にとっても思い出深い、大好きな作品。

80分しか記憶がもたない優秀な数学博士と彼の世話をする家政婦親子の物語。
家政婦役が深津ちゃんと聞いて(彼女は大好きだけど)「えーーー、若すぎるわ〜」原作のイメージとは違うなあと思ったのだけれど。
確かに、小川洋子さんのあの独特な不思議な世界、優しいようだけれどどこか冷たく冷えているような、白い世界。そういうものはこの映画には感じられなかったけれど、でももちろん映画と原作は別物だから・・。
この映画は、映画でとても良かったと思う。

成長し教師となったルート君が、教室で生徒に「ルート」という呼び名について思い出話を始める・・最初はなんだか古めかしい・・設定だなあ、こんなに賢くて(ちゃんと先生の話に付いてきてくれる)生徒達は今時おらんぞーーと思いながら見ていたのですが、だんだんと見ていくうちにこの教室でのシーンが楽しみになってきたのですよ。
黒板を使って説明される素数や完全数・・これがとても分かりやすかった。忘れかけていたこれらの数字の面白さ、美しさを理解するのにこれはぴったりの方法でしたよね。

寺尾さん演じる博士と深津ちゃんの家政婦さん。何度も繰り返される博士の言葉は寺尾さんによって味わい深いものになっていたし、それに明るく爽やかに答える深津ちゃんの家政婦さんの優しさ・・。
癒されましたね。
楽しそうにお料理をする彼女の健気さに胸を打たれていつのまにか素直に彼女を応援したい気持ちになっていましたよ。

義姉さんとの関係も原作よりは優しく、暖かく描かれていて。ラストの海のシーンには、広くて大きい海の懐にみんなが包まれているかのような・・。

ちょこん!と寝癖のついたルート先生の頭、あれってもしかしてルート形の寝癖なんでしょうか(笑)でも、こんな先生に教えてもらったらきっと私ももう少し、数学が好きになってなんじゃないかって思うんだけど(笑)

ひとつひとつの数字がいろんな風に関わりあって、また違う世界を作っていく・・ひとと人の関わりもまたいろんな形になっていって・・。そんなことを思わせてくれる作品でした。






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