2004年イギリス 監督 マシュー・ヴォーン キャスト ダニエル・クレイグ コルム・ミーニー ケネス・クラハム ジョージ・ハリス エイミー・フォアマン シエナ・ミラー
レイヤーケーキ・・といえば、思い出すのはやはり「赤毛のアン」 牧師夫妻を招いたお茶の席で、アンは牧師夫人のために得意のレイヤーケーキを焼くんだけど・・なんと!香料のバニラと間違えて湿布薬を入れちゃのでした・・ あの時アンは焼きあがったスポンジに赤いゼリーを挟んだ・・ってありますけど、こんな風にレイヤーケーキっていうのは、クリームやジャムを挟んで層状(レイヤー)に重ねたスポンジケーキのことなんですよね。
何層にも重なった・・(裏の)社会。それぞれに層にどんなうまみがあるのか・・そしてそれが渾然一体となった世界では・・・。
レイヤーケーキの真中より上のあたり・・かしら?この物語の主人公、おれ。(名前は出ないんですよね) 自分のポリシーを持ちながらしっかりと儲け、そしてすっきりと引退することを望んでいる、麻薬ディーラー。でも、そんなに甘くなかったですね、このレイヤー社会。引退を前に押し付けられた2つの仕事が・・どんどんととんでもない事態に発展して・・なんだかと〜〜ってもやばいことに。 こういう、いろんな事態がどんどんといろんな方向にいっちゃって・・どんな風に収拾されていくのか・・って言う展開、実はとても好きなんですよね。最後にどんな風にまとめてくれるのか・・って思って。 この作品もさまざまな人物の、それぞれに思惑が交じりあう展開がとても面白かった、そして最後にはちゃ〜んとそれが解決するさまも。
主役の「おれ」を演じるのはダニエル・クレイグ。実は初めてお目にかかるわ、私。「007」まだ見てませんからね〜。 細身で、色素の薄い感じ・・どこか冷たい、夏でも絶対ひんやりしてるに違いない「低体温風男性」って結構好みです(笑)ポール・ベタニーを思い出します。 クールで、頭が切れて・・っていう設定なんですけど、意外に抜けてるところがあったり、落ち込んだりして・・「あれ〜この人」って思ってしまう主人公でしたよ。ちょっと情けない風が、似合ってましたね(あのホテルでも・・なんであそこで 苦笑) そして・・何よりずいぶんいろいろ痛そうな目に遭うんですよね・・アタタタ。
まわりを固める幹部の方達は・・もう渋いというか、ずるい・・というか。やり手なんですね、みんな。そんな中での探りあいも、息詰まるようでいて、たがいにユーモラスな会話もあって。そういう息抜きが上手い。
一番印象的なシーンは、あれかな。あのグリニッジ天文台での待ち伏せ。 あれはビックリしましたよ、直前まで可笑しな会話が続いてて・・あれでしょう。 でもビックリといえば・・最後もそうなんですけど。これについてはあまり語らないことにしましょう、見てもらうのが一番だと。
そうそう、実は紅茶のシーンがありましたよ。う〜ん・・しかしあれは紅茶のシーンって言うんだろうか・・ これまでで一番異色な紅茶のシーンですね・・となるとやはり載せたい「Tea&Cinema」 そして今原作読んでます。 まさに何層にも美味しい作品になったかも(笑)
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