瞳's Cinema Diary
好きなスターや好みのジャンルにやたら甘い、普通の主婦の映画日記。
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2006年11月18日(土) 「仮面の真実」

2003年イギリス スペイン 監督 ポール・マクギガン
キャスト ポール・ベタニー ウィレム・デフォー ヴァンサン・カッセル

時代物ミステリー、いいですね。
ましてや、ポール・ベタニーです、ウィレム・デフォーにヴァンサン・カッサルですよ。なんて個性的で異色で、素敵なキャスト!!
どの方々もどちらかというと、善のムード<悪のムードっぽい方たちじゃないですか?(笑)なので、いったいどんなことが起るのか、どんな風に転がるのか?ドキドキしましたよ。

ベストセラー作家バリー・アンズワースの原作を映画化したものだとか(ぜひ原作も読んでみたい)
暗く、荒涼とした中世が舞台、14世紀のイングラントです。
罪を犯し逃亡した元神父(ポール・ベタニー)がふとしたことで知り合った旅芸人の一座(団長がウィレム・デフォー)の仲間となり、ある村を訪れます。
そこで見たものは、少年殺しの罪で裁かれようとしている聾唖の女。
一座はその事件を舞台にして上演し、村の人々に披露して見せるのですが、そのことがきっかけで、隠された真実がしだいに浮かび上がってくるのです・・

国王、領主、教会、神父。
混沌としていて無秩序で、すべては権力を握るものしだい・・っていう暗黒な時代。そういう時代の雰囲気がとてもよく出ていましたね。

そしてこの旅芸人たちの上映する、劇の様子、これがとても興味深かった。
3度舞台があるのですが、それぞれにちゃんと意味があり見所があります。
普段旅芸人たちが上映している、この時代の、たいていの題材はこういう教えを説くことなんだろうなあ・・っていうのを見せてくれる最初の舞台。
次は(そういう普段の舞台じゃない、オリジナルなものをやりたい・・という新座長の意見をくんで作った)少年殺しの様子を描いて見せた2つめの劇。これがすべての発端になりました。
そして、その謎を説いて真実を暴いてみせたのも、また舞台の上だったのですね。
上手く生かされてましたよね!!
舞台から呼びかける声に、人々の気持ちがさざなみのように広がってゆくように感じました。

旅芸人のリーダーを演じるウィレム・デフォーも良かったし(舞台の上で手を大きく広げるシーンでは、思わず「プラトーン」を思い出し)
領主はヴァンサン・カッセル!!もうそこに出てくるだけで「いけない」オーラが漂っているような気がする(笑)
ポール・ベタニーの演技もいいですよ〜。なにかな、なんだろう?あの独特の、哀しみを漂わせた・・瞳のせいかしら?
自らの罪を逃れることは出来ないと、きっとわかっていたことなんでしょうね、いずれは。

決して派手じゃないけれど、しっかりとした舞台と渋〜〜い、異色な俳優さんたちの共演!!
印象的な1本でした。





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