2003年イギリス スペイン 監督 ポール・マクギガン キャスト ポール・ベタニー ウィレム・デフォー ヴァンサン・カッセル
時代物ミステリー、いいですね。 ましてや、ポール・ベタニーです、ウィレム・デフォーにヴァンサン・カッサルですよ。なんて個性的で異色で、素敵なキャスト!! どの方々もどちらかというと、善のムード<悪のムードっぽい方たちじゃないですか?(笑)なので、いったいどんなことが起るのか、どんな風に転がるのか?ドキドキしましたよ。
ベストセラー作家バリー・アンズワースの原作を映画化したものだとか(ぜひ原作も読んでみたい) 暗く、荒涼とした中世が舞台、14世紀のイングラントです。 罪を犯し逃亡した元神父(ポール・ベタニー)がふとしたことで知り合った旅芸人の一座(団長がウィレム・デフォー)の仲間となり、ある村を訪れます。 そこで見たものは、少年殺しの罪で裁かれようとしている聾唖の女。 一座はその事件を舞台にして上演し、村の人々に披露して見せるのですが、そのことがきっかけで、隠された真実がしだいに浮かび上がってくるのです・・
国王、領主、教会、神父。 混沌としていて無秩序で、すべては権力を握るものしだい・・っていう暗黒な時代。そういう時代の雰囲気がとてもよく出ていましたね。
そしてこの旅芸人たちの上映する、劇の様子、これがとても興味深かった。 3度舞台があるのですが、それぞれにちゃんと意味があり見所があります。 普段旅芸人たちが上映している、この時代の、たいていの題材はこういう教えを説くことなんだろうなあ・・っていうのを見せてくれる最初の舞台。 次は(そういう普段の舞台じゃない、オリジナルなものをやりたい・・という新座長の意見をくんで作った)少年殺しの様子を描いて見せた2つめの劇。これがすべての発端になりました。 そして、その謎を説いて真実を暴いてみせたのも、また舞台の上だったのですね。 上手く生かされてましたよね!! 舞台から呼びかける声に、人々の気持ちがさざなみのように広がってゆくように感じました。
旅芸人のリーダーを演じるウィレム・デフォーも良かったし(舞台の上で手を大きく広げるシーンでは、思わず「プラトーン」を思い出し) 領主はヴァンサン・カッセル!!もうそこに出てくるだけで「いけない」オーラが漂っているような気がする(笑) ポール・ベタニーの演技もいいですよ〜。なにかな、なんだろう?あの独特の、哀しみを漂わせた・・瞳のせいかしら? 自らの罪を逃れることは出来ないと、きっとわかっていたことなんでしょうね、いずれは。
決して派手じゃないけれど、しっかりとした舞台と渋〜〜い、異色な俳優さんたちの共演!! 印象的な1本でした。
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