| 2005年10月25日(火) |
「デビルス・バックボーン」 |
2001年スペイン 監督ギレルモ・デル・トロ キャスト エドゥアルド・ノリエガ マリサ・パレデス
両親を失ったカルロス少年は、人里離れた孤児院に連れてこられた。 なにやら、ちょっとワケありげな大人たち、そして孤児院の少年たちからのいじめ。 そして、夜毎に彼を呼ぶ少年の声は・・
人里離れた孤児院、少年の霊、ラム酒つけの胎児・・こう書くと、まったくのホラーのようだけど、違いましたね。 スペインの内戦下がどんなに辛い時代だったか、知識のない私には想像するだけだけれど、ここに描かれたように民衆の犠牲は大きく、大勢の子どもたちが孤児となったことは間違いないのだろうな・・と思います。
孤児院に出没する少年サンティの霊は、怖がりやの私にはやっぱり怖いけれど、でもなんだか怖さよりも、悲しさをひしひしと感じました。 戦争が生み出した屈折したひとの心や、欲望。そんなものたちの犠牲となってしまった・・・・。
カルロス君をいじめていたハイメ少年。彼もとてもよかったですよね。思いを寄せる年上の女性へ指輪を渡すシーン。そしてその指輪が再び彼に戻ってきた時、彼が浮かべた表情。 「怖かったんだ・・でももう怖くない」 ファシンドもまたこの争いの犠牲者の一人なのでしょうか・・幼い時の写真を見る彼はとても切なかった。
カサレス医師、彼の雰囲気もまたこの映画を盛り上げていました。 いい人みたいなのに、どこか怪しい感じがするんですよね、何か隠し持ってるみたいな(苦笑) あのラム酒漬けの・・・ うう・・飲めないでしょう、あれは。
孤児院の庭に突き刺さった大きな不発弾。 爆発・・しないはずの・・でもそこにあるだけで、それは争いの絶えない、現実をどうしようもなく突きつけていて。とても印象的でした。
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