| 2005年06月18日(土) |
「ミリオンダラーベイビー」 |
2004年アメリカ 監督クリント・イーストウッド キャスト クリント・イーストウッド ヒラリー・スワンク、モーガン・フリーマン
ヒラリー・スワンク、モーガン・フリーマン、そしてクリント・イーストウッド、3人ともとても素晴らしい。 マギー(ヒラリー)のひたむきさ。お客の食べ残したステーキを「犬のえさなの」って持って帰り夕食にし、小銭を貯めてスピードバッグを買い、明かりの消えたジムで一人もくもくと練習する姿。 でも笑顔とか、とても可愛くて。 そんな彼女に最初に肩入れしたスクラップ(フリーマン)。彼はマギーとフランキー(イーストウッド)の中に立って二人を静かに、だけど、ちゃんと言うことは言って見守っている。フランキーのことも知り尽くしていて。 フランキー、彼もいろんなものを心にしまっている人間で女性のトレーナーにはならないといいながら、だんだんマギーに惹かれていく様子がとてもチャーミングだった。 お互いに家族に恵まれない二人・・あんなに送りつづけても手紙のひとつも受け取ってもらえないなんて。フランキーと娘との間にいったい何があったのだろう・・実の親子なのに・・ マギーの家族もね(唯一理解してくれてたお父さんは死んでで)家のことは、まあ行き違いがあったのだろうなあ・・って思ったけど、あの病室のシーンは酷すぎますよね。あそこまで・・
だからこそ、お互いにもう「あなたしかいない」と認め合うのだけれど。あのガソリンスタンドのシーンが好き。 幼い頃の自分を思い出すかのような少女を見て微笑むマギー。あの可愛い女の子はイーストウッドの実の娘さんだとか!!
全然、ストーリーとか知らずに観にいったので、後半の展開には(途中でちょっと気がつきかけたのだけど)ビックリしました。 このあと、ネタバレなので
あそこまで、あの状態にまでなってしまうなんて・・ 酷すぎますよね。マギーがあまりにもひたむきにやってきて、やっと輝いて・・なのに。 でも「自分を守れ」ってずっと言いつづけたフランキーの言葉がここでぐっと迫ってくるのですよね。そうして彼女を守れなかったフランキーの悲しみも。 でも・・でも、あんなにひどい状態になっても・・やっぱり生きていて欲しかったって言ったら・・酷いかなあ。 彼女が、フランキーだからこそ安楽死させて欲しいって頼めたのだし、彼もどんなに罪を背負っても彼女を愛していたからこそ、それをしたのだと・・思うのだけど。 でも・・でもやっぱり・・。輝いた人生だけを持って逝ってしまう・・っていうのはどうなのかなあ・・って。彼女なら、彼女だからこそ、生きていて欲しかったのですけど。 全然関係ないのですけどね「ジョニーは戦場へいった」を思い出しました。
あの「モ・クシュラ」の意味には泣けましね。その言葉の意味を聞いた時のマギーの涙が綺麗で。
この映画には、ひとつひとつのシーン、どのシーンもひとつも余分なもの、無駄なものがなくって、全部生かされていると思いました。 最初に出てきた(フランキーがトレーナーをつとめていた)ビック・ウィリーのエピソードも、スクラップの過去も。あのデンジャーも。
音楽もとても印象的で心に響いてきます。 「このまま死んでもいい」と思えるほどのレモンパイ、ほんものの。 レモンパイってアップルパイほど売ってる店とか少ないですけど・・食べてみたいなあ。作ってみようかな。
ラストシーンも忘れられないですね。
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