瞳's Cinema Diary
好きなスターや好みのジャンルにやたら甘い、普通の主婦の映画日記。
この映画の感想読みたい・・って思ってくださる方がいたら、画面下の検索機能からどうぞ。

2005年05月17日(火) 「キングダム・オブ・ヘブン」推奨月間?  ネタバレあり

え〜っと、ということでまたまたKOHです(笑)
いや、ギア様も見たいのですよ、「エターナルサンシャイン」でぐっと株が上昇したジム・キャリーも見たいのです。

でもね、でもほら・・推奨月間だからね(笑)

前回は全体の感想だったので、今度は好きなシーンあげちゃおう。

グレーがかったブルーのトーンが寂しくも美しい冒頭のシーン。道端に置かれた遺体の顔に巻かれた布が風でさっとあおられて・・・ドキッとしました。

傷を負った父親に、「私が(おまえを)離さないから」みたいなことを言われたバリアンの顔に一瞬浮かぶなんともいえない表情。いろいろな感情が交錯しているような。

エルサレムの街で目覚めるシーン。
朝の光の中に、香の煙がたちこめて、流れてゆく。階段を下りるバリアンの指がアップになって、イベリンの領主の指輪が見える。ゴッドフリーが渡したときにははっきり見せないで、ここでアップにするところがニクイよね。でも、どうして小指につけてるんだろう?

ゴルゴダの丘で神の声を待つバリアン。夕方から夜へ。
それまで流れていた音楽が消えてしまうのです、静寂の訪れ。

ホスピタラーが「宗教は言葉にすぎない」「大切なものは、ここと、それからここにある」とバリアンの頭と胸を指すシーン。
ボードワン4世に謁見するシーン。チェス盤が見える・・
「王に仕えるとも、自分の魂は誰のものでもない」「あの時ああしておけば良かったなどと神にいいわけは出来ない。魂は自分のもの」
このふたりの、この言葉はバリアンの後の行動に大きな影響を与えていますよね。これはね、私も心にしっかと留めました。

イベリンの地に水を引くシーン。布で口をおおっているバリアンが可愛い(笑)
この水を引くために働くバリアンを格子のついた窓から見ているシヴィラ。このシーン、プレミアではなかったような(?)
水が引けてから荒れた地が、やがて緑の水田になっているシーンへと移りますよね。これって、だいぶ月日が経ったってことでしょうか?
ということは、シヴィラはずいぶん長くここにいたってことですよね。

臨終のボードワン王にシヴィラが会いにゆくところ。
若く、美しかった時の私を覚えていてくれ・・という王の言葉に涙するシヴィラ。

戦闘シーンは、重いよね。なんというか、ずどーんとくる。あまりCGを使ってないって聞きましたけど。あの飛んでくる火の玉、すごい迫力でした。
必死の形相で、城の上に上がったサラディン軍の旗を奪って投げるシーンには、思わず力が入ります。

平和な解決を申し入れてきたサラディンと交渉するシーン。
バリアンの聞く「エルサレムとは?」の問いに答えたサラディンの言葉。これはね、これは書かない。実際聞いて欲しいから。そしてその答えを聞いたバリアンの表情。

民が去ったあと、エルサレムの街で倒れた十字架を見つけたサラディンが、静かにそれを立てて置くシーンは、なにかとても象徴的だ。

そして、ラストシーン。自分の住んでいた村に戻ったバリアンが、花を咲かせた木をそっと愛でるシーンがある。私はこのシーンが好きでたまらない。
ここを観た時、なぜスコット監督がこのバリアンという主人公にオーリィを選んだのかそれがわかるような気がした。
強くてたくましくて堂々としたヒーローなら彼よりもっと上手く演れる人はいっぱいいると思う。けれどもバリアンはそんなこれまでのヒーローもののヒーローとは違う。
もっと繊細で、未熟で。けれども芯の強さや、情熱を秘めた。そんな騎士の心をもった一人の若者。バリアンはオーリィが演じるのに相応しい。


 < 過去  INDEX  未来 >