「どうしますか?」
どちらも口を開くとこの言葉しか出て来ない。 どくたあさんは勤務に行ったままだ。 呪竜や、アジトや、その他懸念されることのために備えているのだろう。
「計画は中止でしょうね」 「そうですね。今、そんな気分じゃ有りませんから」
そろそろ何処へ仕官するのか決めないと。 同じ国へ行く予定で、同じ日に出奔した。 明日には入国出来る。
「マーナさんは…ホントに行きたければ行っていいんですよ。あなたが勝手をするのは今に始まったことじゃないでしょう」
落ちついているようで落ちついていない。 ユーキさまの手には一通の手紙。 差し出し人は、私の手元にある手紙の主と一緒で。
「でも私まで…」 「だってマーナさんは帰って来るでしょう?この方と違って」
私がいるという理由だけで、ウマリー支援に駆けつけてくれた方。 負けが決まっているから来なくてもいいと止めたのに。 出国の時「またどっかで会おうね」って言っていたのに。 何度も手紙を読み返す。 はっきりとは触れられていない理由。 だけどね。 封印された家の張り紙をみたらすぐにわかる。
でも、こんな別れ方ってないよ。 貴方に大切な人がいたように、貴方を大切だと思う人だっているはず。 せめて「戻って来る」って言って。
私の手元にもう一通の手紙。 戻って来るよね。 待っている人がたくさんいるんだから。
|