そんなものは通り越して。
知らないくせに…とか、思い。 それでも嬉しくて。 その他大勢の一人に過ぎないことはわかっていて わかっているどころかそれは当然のことで だから知らないのも当たり前のことで 知らないのだからどーでもいいのにと 放っておいてくれていいのに ただ義務っぽくても嬉しくないのに だからどーでもいいのに。
それでも。
手を挙げないこと。 目の前に立たないこと。 決して目立たないこと。
気楽だから。 覚えられていないと。 目の端を掠めたことはあっても目で捉えた記憶がない。 その位置に自分を置くこと。 どんなに笑っていても言葉は痛いから。 知らない好意は痛いから。 やっぱり…と認めることが痛いから。
だけど。
多分判っていたことで。 自分のしたことのひとつひとつが 今の痛みを招いているのであって。
そうしてこれを認め、これに耐えるために 私はこの国へ来たのだから。
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