贈る届く



 声。

それでも、どうしてか
とても不安になるよ。


あたしはいつの間にか
きみ「が」喪失することを恐れるようになった。


きみが隣の存在を失くすことがないように。
もう、そんな涙を流さなくて良いように。

あたしは、凍る胸を抱えて願う。

きみ「が」温もりを喪失することが
あたし「が」きみを失うことに繋がりそうで

凍てつく雪のような想像を必死で掻き消す。


きみがずっと、その場処で笑ってくれたら良い。
きみがずっと、その場処で幸せでいてくれたら良い。


あたしは
きみが生きててくれたら、それで幸せ。

それが、あたしの最大のエゴ。

2006年11月05日(日)
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