■ 豆文 ■
 2002年05月23日(木) 【 SHIMIZ FOODのはなし:1 】

パターン1

 私は某ショッピングセンターに勤めています。
 毎日レジに立っていると、自然とお客様の顔を覚えます。
 人間観察が楽しいと言うのもあるんですが、そんな仕事が私は好きです。

 で、ここ数カ月、覚えた中でも得に気になる人が数人。
 その中で今日来てくれたのは、とある女性でした。


 その人は赤い自転車に乗ってやってきます。
 休日はそのままの頭を隠す為か帽子を被ってる率が高いです。
 それで、着ているパーカーの前ポケットに両手(と多分自転車の鍵)を突っ込んで、その小脇に牛乳パックを切ったものかペットボトルを抱えて来ます。
 それをリサイクルボックスに入れて中に入ってカゴを手にとって、まず大体カゴに入れるのが

 ネギ。

 でも、特売じゃ無いと入れてくれません。
 あと大根も好きみたいなんですが、2分の1カットの頭の方限定です。頭の方は生食に向いてますよね。
 ちなみにこれも100円超えると入れてくれません。
 あ、そういえば苺に半額シールが付いていると数秒悩んで笑顔でカゴに入れてます。

 それだけなら別に気にならないんです。いると言えばいますし。
 その人、なんだかいつも買うのが同じなんですよ。
 ちなみに『ウーロン茶(2リットル)』、『キャベツ』、『ピーマン』、『タマネギ』、『好きな厚さに切れるパン』、『たまにお酒(と言ってもアルコール2%)』、『たまになめ茸』、『安いとエリンギ』、『やたらとケチャップ』
 何作って生活してるのかなー、と思って。

 それで、レジに来たその人は結構背が高くて、歳は多分20歳程。
 何だかボーっとしてるその人に、一応決まりなので私は「カードはお持ちですか?」と聞きます。
 知ってます。持ってませんよね。
 当然返ってくる答えは「いえ(一言)」
 そして財布が出てきます。パーカーのポケットから。ネコ型ロボットみたいです。

 会計が終わってカゴを持ってゆくその人をつい目で追いかけます。
 袋詰め
 何であんなに手慣れてるんだろう。


 そんな気になるあの人、とうとうある日買ってくれました。
 それは


 鰤。


 大根と生姜も一緒に買って行ったから、夕飯に何を作って食べるのか予想は簡単でした。
 それにしても食の趣味が微妙に渋いと思うのは心の中に留めておくとしますね。

 また、おいで下さいませ。


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