SO CRAZY!  byサクライ和泉


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破綻     2003年02月11日(火)

おととい、彼からメールが入った。
親がくるから荷物を片付けてほしいと。


後で電話してみると、ちょっとね・・・とバツが悪そうに云った。
また連絡するから、と付け足した。
どうせ嘘なんだろうな、とか、いくら親がくるからって片付けろってどういう意味だよって思いながらため息をついた。
罵倒したかったけど、電話は一方的に切られた。


おとといの夜に電話があった。
体調がものすごく悪くて、そのせいで親がくることになったらしい。
本当に馬鹿だな。
そこまで悪くなる前に、とっとと病院に行けばいいのに。


そして今日、久しぶりに彼の部屋に行ってみると、荷物はきれいさっぱりまとめられていた。
すべて。


嗚呼、そうか。
あたしはその程度だったんだ?
彼の中でもこの荷物のように、きれいさっぱりあたしへの気持ちは消えているに違いない。
・・・じゃなきゃこんなことできないんじゃない。普通の神経の持ち主だったら。


殴ってもやりたかったし、煙草の火でも押し付けてやろうかと思っていたけど、そんなことをしたってまったく意味がない。
相手に痛手を負わせることによって自分のことを忘れてほしくない、そんな気持ち吹っ飛んだ。


というか、その光景を目の当たりにしてからの記憶が曖昧なのだ。
やっぱりショックだった。
依存対象がなくなってしまったということに。


好きとか嫌いとかそういうことじゃなくて、あたしは彼に、いや、やつに依存していただけだった。


それにしてもきれいにまとめられた荷物、ヤマトの宅急便で一応部屋に送る。
送り終わって一段落。


ほとんど、会話はなかったと思う。
なんで彼があそこまでテレビが好きなのかは今でも謎だ。


あたしは紙の日記上で今日の日付のタイトルを「はじめて伊藤家の食卓」を見た、と書いた。
そして彼に対する未練をたらたらと書き綴っていた。
好きだったとか好きだとか。
ありがとうとかごめんなさいとか。
口に出せなくていろいろ悩んだりしたけれど、結局言わなくて正解だったと思う。
ナルシストなヤツを天狗にするだけだ。


あぁ、疲れたな・・・。




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