いぬぶし秀一の激辛活動日誌

2010年11月29日(月) 区管理職のの天下り法人なのか?社会福祉法人

 今日と明日は、区議会健康福祉委員会である。区議会議員は5つの常任委員会のいずれかに所属し、上程された議案につき各委員会で審査する仕組みになっている。ただ、どの委員会にでも入れるのかといえば、そうではない。

 私のような一人会派の場合は、まず筆頭委員会(契約議案などを審査)である総務財政委員会には入れない。残り4つの委員会のうち、交渉会派(所属議員3名以上)の議員が希望委員会をすべて選んだ「残り」が一人会派にわりあてられるのだ。そして、割り当てられた委員会に一人会派で希望が集中した場合は「あみだ」で決める。なんともなあ〜という構図である。

 さて、本日上程された議案は6本。いずれも、指定管理者の再指定に関するものである。3本は、特別養護老人ホームなどの高齢者施設を現在指定管理者として指定している社会福祉法人を再度4年間指定したい、とのものだ。

 もう3件は、障害者施設につき指定管理者を同様に向こう4年間再指定したい、とのものである。

 議案に関する資料が配布され、担当課長が説明するが、なぜこの法人を再指定するのかの説明はほとんどないのだ。資料にも、そのような記載はない。彼の説明も、資料も書いてあることは「指定管理者の再指定につき適正な手続きを踏んだ」という事実だけである。ここが、お役人の大きな勘違いなのである。

 指定管理者を再指定するかどうかは、実は「審査委員会」が決定するのではなく、我々、区民の代弁者たる区議会が決定するのだ。「審査委員会」の審査は、その議会の審議の参考にすべきものであって、執行機関の「僭越」さに、実は議員も気づいていない。民主党の議員は「この議案を承認するにあたって‥」と、委員会で言ってしまう有様だ。「承認」とは、諮問機関や、付属機関が「追認」する場合に使う。議会は、お役人の「お墨付き」機関に成り下がっているのではないか。

 さて、議案についても疑義が残る。大田区管理職OB,現役職員合計9名が勤務する、社会福祉法人池上長寿園を、特別養護老人ホーム6件、高齢者在宅サービスセンター11件の指定管理者として「再指定」したいとの議案である。

 社会福祉法人池上長寿園には、常勤、非常勤あわせて595名の方々が勤務している。そのうち大田区OB、現職派遣者はあわせて9名である。常勤者に占める割合は2%程度だ。

 ところがだ、なんと、この9名すべてが社会福祉法人の管理職に就いているではないか。6件ある特別養護老人ホームの施設長は、すべて大田区管理職OB(4名)または現職の派遣(2名)。法人の理事長と事務局長は、いずれも大田区を部長で定年になったOB.参与は、部長で定年後副区長になった方である。

 社会福祉法人池上長寿園は、昭和37年に設立された歴史ある法人である。すでに設立以来48年が経過しており、プロパー社員も大勢いるはずである。なぜ、施設長すべてが大田区管理職で占めているのだろうか。これでは、プロパー職員は士気が下がってしまう。「どうせ、大田区を定年になった連中が天下って管理職になるんだ‥」と。

 この疑問に担当課長は以下のように答えた。

法人側から、適当な人材を出して欲しい、との要請があった結果である。

 これには笑った。法人の理事長も事務局長も、大田区のOB。つまり現在区役所に勤めている管理職の先輩である。「先輩から、後輩の面倒見るから、誰かよこせと言われた」というのが正しい答弁ではないだろうか。そして、「いつか自分たちも行くであろう道」でもある。

 法人の再指定にあたっては、他の法人にもプロポーザルで参加させるのど、常に競争性、市場性、公明性を担保する方策を考えていないと、一度取っちまえば未来永劫、既得権益、とうことになりかねない。

 大田区を定年になった管理職が運営する社会福祉法人が「民間のノウハウ」を活かすための制度「指定管理者」として適当なのか、甚だ疑問である。それとも、大田区管理職OBは、「毎日、新聞を読んでいて」、実際の業務は「民間人」たる、プロパー社員がやっているのだろうか。

 いずれにしても、貴重な大田区民の税金で、大田区管理職の天下り法人を運営すえうのはおかしいし、議会を軽視した資料では判断できない。議員としての良識の基づき「抗議の意味を含め」退席である。他の議員各位も「議会がバカにされている」ことに、是非気づいて欲しい。

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