いぬぶし秀一の激辛活動日誌

2004年10月20日(水) 駄目じゃん!こんな陳情採択しちゃ…

 区議会には、毎回色々な陳情、請願が提出される。陳情は紹介議員のないもの、請願は紹介議員のあるものだ。よその自治体では、陳情は審査せず、請願を優先しているところもあるようだが、大田区は同様の扱いをしている。

 かえって、一部の議員の署名がある請願より、中立の立場で審査される陳情のほうが採択の可能性が高い。一昨日の都市整備委員会で不採択になった、『羽田地区の交通量抑制と調査』の請願など好例だろう。

 これは、臨海トンネルの開通により、羽田地区への流入交通量が増加し、大気汚染も進行したので、調査、抑制して欲しいというもので、7名の町会長が連名で、わが会派の羽田選出議員の紹介で提出された。(提出当時は一人会派)

 まあ、町会長連名であれば、請願ではなく、陳情で出すほうが通りがいいのだが、出してしまった以上仕方ない。反対する理由はないし、今では同じ会派の議員が紹介議員なので、採択を主張したが、共産党だけが賛成し、自民、公明の反対で不採択になってしまった。理由は『すでに、やるべきことはやっている』羽田地区には、我が会派に2名、自民に1名の議員がいる。そのことが理由でなければいいのだが…

 さて、今日の会派の打ち合わせで、同僚議員から『交通問題調査特別委員会』において、2件の陳情を採択したので、本会議でも賛成して欲しい、との報告があった。それを聞いてびっくりしてしまった。

 いずれも、馬込地区にある、東京都交通局所有の土地利用に関するものだ。
一件目は『遊水型の公園にして欲しい』というもの、二件目は『老人ホームにして欲しい、という意見がある、と東京都に知らせて欲しい』との陳情である。

 同じ土地に、二つ(実はもっとあるのだが)の施設の要望を採択した場合、議会の責任はどうなるのか。どうやら、委員会では二つ目は『意見があるということを』という文章だから、いいじゃないか、という事になったらしい。

 とすれば、今後『テニスコートが欲しい』『温泉が欲しい』などの『意見がある』場合には、そのすべてを採択しなければいけなくなり、議会の陳情採択の重みが喪失してしまう可能性すらある。

 まして、この陳情は、必ずしも馬込地区住民の『多数』を代弁している訳ではない。東京都は公営企業会計(交通局)の中で収益を、この土地からあげたがっているし、地元でもこの件での研究会が立ち上がっている、と聞く。だとしたら、一部意見に議会が軍配を上げることは慎むべきであると思う。

 役所内で職員にインタビユしても『まさか採択するとは思わなかった』と驚いている方が多かった。

 俺は反対だね、と会派の会議で主張すると2名だ『そうだ!』と同調して、本会議では着席(反対の態度表明)することになった。

 が、待てよ。それでも、同じ会派だよね。同じ会派の議員2名が委員として参加している委員会で採択したものを、明確に反対出来るか…自問自答した。しょうがないな〜本会議の採決の際は、きっと胃が痛くなってトイレに行くだろうな…

 他にも、胃の調子が悪い議員が、この陳情の本会議採択の際は出るかもしれない。


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