いぬぶし秀一の激辛活動日誌

2003年12月05日(金) 区議会議員の海外視察・親善訪問

 来週月曜日に行われる、平成15年第四回定例会最終日の議案について、賛否、質疑、討論の問い合わせが、議会事務局から頻繁に留守電に入っていた。規則上は、その当日、賛否を決め、質疑や討論も「議長!」と手を上げれば出来ないこともないのだが、議事運営をスムーズに進めるため、あらかじめ、各会派の意見を聞き、議事順序などを決め、当日朝の幹事長会、議会運営委員会に諮る。制度としては、すべて国会に習っている。

 さて、月曜日は特段、騒ぐような議案はなかったのだが、一つだけ困った案件がある。それは、区議会議員の海外視察と親善訪問について、議長から派遣命令を出すことについての「同意」(多分)の件だ。

 大田区は23区でも珍しく(確か、3区くらいだと思う)、議員の海外視察を行っている。議員は、当選回数に関係なく、4年のうち1度、海外視察に、同様に、北京市朝陽区または、米国セーラム市の親善訪問に1度、公費で行くことができる。その金額は、概ね一人80万円(視察の場合)である。そして、今年度は、ヨーロッパ(確か、去年も)に行くらしい。

 私は、前期(平成11年〜15年4月)は、セーラム市に親善訪問に出かけたが、海外視察は「海外視察の必要性は認識しているが、一人会派のため、長期出張は区政調査に影響を及ぼすので、ご遠慮申し上げる」との意見をつけて参加していない。まあ、ホンネは、元旅行会社社長として、激安ツアー花盛りのなか、バカ高い高利益を業者に抜かれる(業界の常識)視察は疑問だし、区民の危機的状況を考えると中止すべきだと思う。ただ、とは言え、一応与党(他はそう思っていないだろうが‥)の一員として、正面から喧嘩を売ることもない、との判断から、控えめな言葉で参加しなかった。

 しかし、今回はいささか事情が違う。区職員の福利厚生や、勤務時間、インチキ残業など、徹底した綱紀粛正にマスコミをも巻き込んで尽力してきた以上、自らの疑問についてウヤムヤにする訳にはいかない。事務局に「海外視察反対」を伝えた。どうやら反対は、共産党、緑の党、私の合計10名のようだ。

 と、ある同期の議員が「えっ!反対するの?だって、6月の海外視察の資料に、”賛成”と書いたでしょう。おかしいよ。」と指摘してきた。ん、なに〜。そんなはずはない、と事務局で当時の資料を見せてもらうと、私の直筆で上記の「海外視察の必要性は認識している‥」との文章が書かれていた。事務局職員曰く「これは、確かに賛成と取れますね。」

 あらあら、困ったな。やむをえない。「退席」させてもらおう。退席とは、その採決には加わらない、との意思表示である。会派の議員が所管委員会で「賛成」した案件が、実は、その会派全体では「反対」である場合など、委員会での行動と整合性が取れないので「退席」とすることが、ままある。今回も、海外視察の意見聴取と現状の意見との整合性が取れない、との理由で退席させて頂くことに。情けねえ野郎だな〜

 すんませんね!来年度からは明確に反対します。


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