雪さんすきすき日記
リサイクル戦術シミュレーション『リサイクルプリンセス』 倒れてもその場で復活するリサイクルSLG。全力で応援中!
DiaryINDEXpastwill
「ときのあくま」攻略はこちら  「東方戰騎譚」エキスパート攻略はこちら  考察のようなものはこちら
自己紹介はこちら  リプレイはこちら  動画はこちら(完成版体験版)  Twitterはこちら


2020年01月09日(木) 「Gato Roboto」のこと

 何故だか年明けから忙しい。ゲームをプレイする余裕があまりない。

 先日、全実績を達成した「Gato Roboto」(doinksoft)の感想を。
 宇宙を巡回中に、遺棄された研究施設からの救援信号を受けたゲイリーは調査に向かうも、不慮の事故?によって不時着してしまう。負傷して動けなくなったゲイリーは猫のキキに全てを託し、この惑星からの脱出を図る。

 猫がバトルスーツに乗り込んで探索を行う、2D探索アクションゲーム。操作は移動、攻撃、ロケット、ジャンプ、バトルスーツの着脱。バトルスーツを着用時は攻撃が可能だが、2ブロックの高さしか通過できない、水に入れないといった制約がある。一方、バトルスーツを脱いだ状態では1ブロックの高さの隙間を通れる、壁を伝うことができる、水中の移動が可能となるが、攻撃手段は無く敵の攻撃を受けると一発でやられてしまう。
 施設内に配置してあるアイテムを入手することでバトルスーツがとれる行動の種類が増え、それにより今まで行けなかった場所にも行けるようになるところは、一般的な探索アクションのシステムである。

 猫がバトルスーツを着て施設を探索するという字面の強さで、最早発想の勝利と言えよう。バトルスーツに乗り込んで縦横無尽に暴れまわる猫の姿は実に頼もしく、ゲイリーが全てを託すのも理解できる。ゲーム内容は一般的な探索アクションで、規模的にも2回目以降なら2時間程度でクリアできる程度。
 バトルスーツと猫の状態の使い分けが特徴的で、時には非力な猫の状態で施設の奥深くまで進まなければならないこともある。とはいえ、施設はそれほど入り組んだ構造ではなく、行ける場所もマップで確認できることから、探索の難易度はかなりお手頃な感じがした。あと、バトルスーツの挙動が往年の「メトロイド」を彷彿させるのも特徴かと(「メトロイド」未プレイなのではっきりとは分からないが)。
 一方のボス戦はなかなかの手応えで、初回は度々足止めさせられた。とはいえ、こちらも攻撃の避け方や効果的なダメージの与え方さえ把握すれば強敵ではなくなる。また、アイテムを取ることでバトルスーツの体力を増やせるので、それなりに力押しもできる。後半になるにつれて、ちゃんとバトルスーツの行動をきちんと駆使するような調整になっているのも、探索アクションとしては標準的であった。

 画面描写は白黒2色で(カラーパレットは変更できる)、解像度は粗めだが動きは滑らかという、今風の古風なゲームを意識した作りとなっている。キャラクターの輪郭が極めてはっきりしているので視認性は非常に良く、プレイする上でとても快適であったのは好印象。

 実績の方では1時間以内でクリアというのがあるが、これがかなりの曲者。恐らく正攻法でプレイすると本当に1時間ぎりぎりでしかクリアできず、相当な鍛錬と効率化が必要になるかと思われる。しかし、バトルスーツを小さくするのとバトルスーツを水中で使用する隠し操作を使うことで、この実績の難易度は一気に下がる。「Rabi-Ribi」のときもそうだったが、海外の探索アクションはこういう隠し操作を入れるのが標準なのだろうか。「Rabi-Ribi」はWikiが充実していたので普通に知ることができたが、「Gato Roboto」はスピードランの動画でないとこの技の存在を知ることができないような気がする。

 猫や簡略化されたキャラクターの可愛さに目を惹かれがちだが、展開的には結構ホラー要素が強い。遺棄された基地からの救援信号、人の気配が無い地上、徘徊する異形の生物、日誌から明らかになる狂気の実験、関門を突破した先に広がるおぞましい光景など、その手の作品の基本的なところはしっかりと押さえている。この画面描写だから怖さは微塵も感じなかったが、プレイした後によく考えて見るとホラーだったのではないかと思った次第である。結末も決して後味が良いものではないし。

 探索アクションとしては標準的な内容だが、やはり猫がバトルスーツを着て探索をするというそれだけでとても愉快なものがある。難易度も規模も手頃なので、気楽にプレイするには丁度良い作品であった。


氷室 万寿 |MAIL
DiaryINDEXpastwill