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2019年09月11日(水) 「発展王国物語」のこと

 今週に入って仕事が忙しくなり、帰宅時間も随分と遅くなる日々。今日は比較的早めに帰ることができたので、気力が残っているうちに「発展王国物語」(ARCOON)の感想を書いてしまおう。
 内政に特化した国政SLG。文明とパートナーを選び、そこから様々なランダム要素に翻弄されながら王国を発展させていく。
 ゲームはターン制で、1つのターン内で以下の行動をとることができる。
・探検…王国の未探索の土地を探検してその土地に眠る資源を発掘する
・イベント…国力に応じた収入が得られるイベントを選択する
・建築計画…建物や施設を建築することで国力が増加する
・テクノロジー…科学力を消費して建築できる建物の種類を増やす
 国力を表す数値は3種類あり
・科学力…テクノロジーを発展させるのに必要。毎ターン研究の数値だけ増える。
・金…消費することで一度行った行動を再度行うことができる。毎ターン収入の数値だけ増える。
・人口…人口に応じたイベントが発生することがある。毎ターン食料の数値だけ増える。
 ゲームの流れは、探索をして国土を増やし、そこに建築物を建てて国力を増やし、イベントで国力に応じた収入を増やし、それを元手として王国をさらに発展させていく。そして、ゲーム開始時に設定された勝利条件を満たすことがゲームの目的となる。
 ゲームモードは、物語に沿って各面の課題を達成していくストーリー、人口10,000人を達成するターン数を競うスピードラン、30ターンでどれだけのお金を稼げるかを競うマネーウォーズの3種類。

 この手のSLGは滅多にプレイしないので最初は勝手を掴むのが大変だった。チュートリアルを一通り見てもゲームの流れを思い浮かべることができず、不安の中でストーリーを始める羽目になってしまった。が、このストーリーこそが真のチュートリアルで、ここを進めていくことでゲームの進め方を順序立てて習得することができ、クリアする頃にはすっかりこのゲームに慣れることができた。正に理想的なチュートリアルであり、丁寧な導入が非常に好感触であった。
 王国の発展の様子は、最初は遅々として進まずという感じだが、それに耐えてテクノロジーを発展させ、建築物の種類を増やすことである時から一気に加速していく。それは、他の建築物のレベルを上げる建物が建てられるようになるとき。ここから指数関数的に国力が増えていき、国力が増えるとイベントでの収入もうなぎ上りという正の循環が生まれ、王国の発展は加速していく一方。序盤の地道な苦労を思うと、発展の加速度が爆発的に上昇していく様を見るのはとても感慨深いものがあった。それにしても、この調整を見るに、製作者は技術こそ国力の礎という考えなのであろうか。

 残る2つのゲームモードであるスピードランとマネーウォーズは、ランダム要素が上手にかみ合った調整で大いに楽しませてもらえた。国力を増やす機会である建築計画とイベントでは、それぞれランダムに選ばれた候補の中から選択することとなり、その提示された候補のどれが最善手となるかを常に考えなければならない。ここに国の目指す姿を考える要素が多分にあり、楽しく悩ませてもらえた。さらに、金を消費すればこれらの行動を再度選択することができるという、正に運を金で買うことができることから、資源管理的な面白さも一緒に楽しめた。
 スピードランでは20ターン以内に人口10,000人を達成する実績があるのだが、これが本当に絶妙でこのゲームの中で一番面白い課題であった。22ターンくらいまでなら普通に達成できるのだが、ここから2ターンをどう詰めるかの試行錯誤が大変でもあり楽しくもありで、ここでプレイ内容がかなり洗練された感があった。達成には国の目指す姿を描く戦略だけではなくかなりの運も必要となるが、1プレイの時間が15分程度なので手軽に再挑戦することができ、繰り返しのプレイも全く苦にならなかった。一方のマネーウォーズの金を150,000溜めるという実績は2回目のプレイで達成。スピードランとほぼ同じ方法で達成できてしまった。こちらはもう少し目標が高くても良かったように思える。
 あと、プレイヤーの不利益となるイベントが全く発生しないのもこの作品の大きな特徴。例え微々たるものであっても、全ての行動は王国の発展につながっていく。不利益が全く起こらないおかげで変に鬱憤を溜めることなくプレイできたことも、この作品を楽しむ上でとても大事なことだったように思える。窮地を自分の力と運で乗り越えることに刺激を覚える人には物足りないかもしれないが、私にはこれで丁度良かった。

 全ての実績を達成するまでプレイ。回数を重ねるごとに最善手が洗練され、それと共に文明もパートナーも固定化されてしまい、どうしても同じようなプレイ内容になってしまうのはこの手のゲームの宿命ではある。それでもランダム要素が最後まで上手に働いて、最後まで飽きずに楽しませてもらうことができたのは、この作品の調整の妙であろうかと。


氷室 万寿 |MAIL
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