雪さんすきすき日記
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2018年07月08日(日) 「東方討幻経」のこと

 8時半頃起床。無料の染み抜きを頼んでいた衣類の染みが抜けてなかったので、有料を頼む羽目に。しぶとい。

 「東方討幻経」(巫女さん作法)の感想を。

 幻想郷の人里の外で正体不明の機械が目撃される。「紺珠伝」異変の再来かということで調査に乗り出した霊夢と魔理沙だが、行きついた先は本の中だった。本の中に広がる世界を舞台に、新たな異変解決が始まる。
 この作品は東方二次創作3Dアクション。本の中の世界を飛び回り、そこに蔓延る謎の機械を狩ることで、今回の異変の原因を調査する。
 操作は左スティックで移動、右スティックで視点移動、ボタンで攻撃、射撃、ボム、緊急回避、スペルカード、高度変更。敵に攻撃をするか緊急回避で敵弾にかすると射撃ゲージが溜まり、射撃を敵に当てるとスペルカードゲージが溜まる。スペルカードの効果はゲージの溜まる量によって変化する。
 1冊の本が1つのステージに対応しており、1つのステージは9つのクエストで構成されている。クエストの内容は所定の敵を一定数倒すという内容で、その条件を満たすとクリアとなる。1つのステージをクリアするのには5つのクエストをクリアすればよく、残りの4つのクエストは高難易度で特別な素材や高額な報酬が入手できる。全4ステージ。
 敵を倒すと素材を落とすので、それを拾うことで入手。また、点在する鉱石も拾って入手する。素材や鉱石を組み合わせて、お金を払うことで新しい武器が開発できる。お金はクエストをクリアしたときの報酬か、素材等を売却して入手する。また、新しいクエストを解放するのにも素材等は用いられる。

 どうやら「モンスターハンター」を題材にした作品のようだが、私は「モンスターハンター」をプレイしたことが無いので、素材を集めて武器を開発すること程度しか「モンスターハンター」の要素を見出すことができなかったりする。
 ゲームの流れは、マップ内に点在する敵の集団に接近し、敵との戦闘を行い全滅させて素材を入手し、また次の敵の集団に向かうというのを、クエストをクリアするまで続ける。戦闘の自由度は高く、クエストの条件だけを満たすのも、マップ内の敵を全滅させるのもプレイヤーの自由。とにかく、クエストをクリアする条件さえ満たせばいい。戦闘の自由度の高さが広大な世界を飛び回れる自由度の高さと相まって、開放感のあるゲーム展開を楽しめた。

 戦闘はかなり癖が強い。高度の概念があるので敵に近接攻撃を当てるには高さを合わせなければならないところがまず敷居が高い。さらに、上下の高度調整がボタンなので、その操作感覚に慣れるまでは思い通りに高さを調整することが難しく、序盤の雑魚一体を倒すのにも相当苦労した。また、3D描画独特の距離感も掴まなければならず、それを把握しても思い通りに近接攻撃を当てるのは結構至難の業であった。そして、これを理解するまではとてもまともに戦えなかったというのが戦闘の流れ。ゲージの溜め方にヒントがあったのだが、近接を当てて射撃ゲージを溜めて、射撃を当ててスペルカードゲージを溜めて、スペルカードで止めを刺すというのが恐らく製作者が意図した戦闘の流れだと思われる。実際にこの流れに沿って攻撃すれば、一番危険の大きい近接攻撃を最小限に抑えられてより安全に敵を倒すことができる。また、自機狙いの弾を撃ってくる敵には近接でなく敵弾のグレイズで射撃ゲージを溜めるという手段もある。これが分かるまでは近接だけで敵を倒そうとして、何度返り討ちに遭ったことやら。とにかく、この戦闘の操作と流れを把握するまでが大変なであり、それが分かってようやくこの作品の面白さを理解できる段階に到達できた。
 敵の容姿は様々で、小型の敵は蜘蛛や猛獣、球体、中型は旧作のボスのような羽の生えた目玉、大型は飛竜や朱雀、アザラシ、猛牛のような容姿をしている。これらの中で戦って楽しかったのはやはり大型の敵。体力も攻撃力も高いので長期戦になり、緊張感の高さは小型や中型の敵とは比べ物にならない。敵によっては空中戦にもなり高度を合わせるという複雑な操作を要求されるが、それを制御して敵にくらいついていくのはさらなる緊張感の高まりを覚えた。一方で、体が大きいので攻撃が当てやすく、攻める楽しさも小型や中型の敵に比べると格段に高い。積極的に近接を当てて射撃ゲージを溜めたら離脱して射撃への攻撃に転じ、スペルカードゲージが溜まったら再度接近してスペルカードを密着して当てて大ダメージを与えるという一連の流れを繰り返し楽しめるのも、大型の敵相手ならではである。また、東方ならではの弾幕を張ってくるのも大型の敵の特徴で、3D描写ならではの空間への広がりを持つ数々の弾幕は非常に見ごたえがあり、その巨体の迫力と併せて視覚的にも楽しませてもらえた。

 音楽も東方のアレンジ揃いだが、何より通常の戦闘時に流れる不可能弾幕には反則をのアレンジがゲームの内容と非常に相性が良く、これだけで随分と戦闘時の高揚感が上昇して実に良い選曲だと思った次第である。戦闘時以外に流れるのはミストレイクや幻想のホワイトトラベラーなど、ステージの雰囲気に即した曲のアレンジだが、こちらはゆったりめのアレンジとなっており、広大な世界を飛び回る自由度の高さが満喫できる。総じて選曲の良さが光る内容であった。そういえば、大型の敵との戦闘時も迫力のあるアレンジが流れるのだが、こちらは終ぞ原曲が分からずじまいだった。アレンジには原曲を併記してもらえると助かるのだが。

 一方で、改善すればもっと快適にプレイできたであろうと思われる点も多々見受けられた。
 先ずは何といっても敵や地面との当たり判定。小型や中型の敵に体当たりすると、乗り上げて高度が変わってしまい、攻撃が当たらなくなってしまう。最初の頃はなんで勝手に高度が変わるのかが理解できず、これが戦闘の難易度を徒に上昇させていたことは間違いない。ツイッターを見ていると、この戦闘の難解さで投げ出してしまった人も見受けられた。一方で、地面に対して体当たりすると引っかかって動かなくなることが多く、それが原因で戦闘時に窮地に陥ることもあった。地面に対しては逆に高度を調整して動き続けるようにして欲しかった。敵と接触したときの挙動と、地面と接触したときの挙動は逆にすべきであろうと強く思った次第である。さらに言えば、高さを合わせる難易度が高いので敵に対してロックオン機能があればとも思ったが、これは自力の操作で戦わせようとあえて製作者がそうしなかったとも解釈できる。
 あと、高次面で頻発したのが敵が消えてしまう現象。反応した敵から一定距離離れると起こりやすかったのだが、クエストクリアに必要な敵が消えてしまうとクリア不可能になってしまう。それまでの戦闘が水の泡になってしまうので、これが起こるとかなり落胆させられた。
 敵弾とのグレイズについては、敵弾と完全に重ならないとグレイズにならないので、自機狙い弾以外だと狙ってグレイズするのは難しい。折角敵が弾幕を張ってきても、それを活用できないのはシステム的に勿体ないような気がした。グレイズの範囲を広げて手軽にグレイズできるようになれば攻勢に転じやすく、グレイズというシステムをもっと楽しめたのではと思った次第である。弾幕は見た目的には綺麗だったけど、システムへの昇華が不十分という印象である。
 また、恐らく「モンスターハンター」をプレイしたことのあるプレイヤーを想定して製作されたようなので、未プレイだった私には説明不足な部分が結構見受けられた感がある。まあ、この点については同人ゲームらしいといえばそうだし、それを紐解いていくのも面白かったところはあるが。

 プレイヤーキャラは霊夢と魔理沙を選べるのだが、霊夢で全クエストS評価でクリア。武器は結構作ったが、最終的にスピア・ザ・グングニルに落ち着いた。攻撃範囲が長い割には振りが速いので使い勝手が良く、射撃の威力もスペルカードの威力も最後まで通用するほど強力であった。できれば全ての種類の武器を最強まで試してみたかったのだが、素材はともかくお金を貯めるのが時間がかかりすぎるので断念。同様の理由で魔理沙でのプレイも断念した。

 いろいろと癖の強いシステムではあったが、その癖を理解すれば高度を利用した自由度の高い戦闘が楽しめた作品であった。中でも、大型の敵との戦闘の面白さは格別で、「モンスターハンター」が好評な理由も何となく分かったような気がする。演出的にも規模的にも満足度は高く、これだけの力作を3人で製作したのだから驚きである。


氷室 万寿 |MAIL
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