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2018年05月05日(土) 「MagicScrollTactics」のこと

 9時半頃起床。

 昨日クリアを諦めてレベル稼ぎをすることにした「MagicScrollTactics」だが、とりあえず未クリアだったフリーバトルの5-3をクリアしてからということに。
 このフリーバトルの5-3は、今までのフリーバトルが横方向だけの狭いマップでいかにも稼いでくださいという構成なのに対して、ここは上下方向にも広がりがあり、しかも起伏の激しい地形の上に強敵揃い。ドラゴンが3匹もいたり、スプリガンという雑魚では最強の敵が出現したりと、本気の度合いを感じられる構成になっている。一旦は攻略を諦めたのだが、ガーディアンの機動力を上げたりキャラの移動する経路を変えてみたところ突破口が見いだせたので、そのまま攻略を重ねてクリアまで到達。スプリガンは一度攻撃を当てると次のターンまで無敵になるので長期戦になったが、ガーディアンの機動力を上げたおかげで盾役を見事に果たしてくれた。そして、攻撃で頼りになったのがアーチャーのシューティングスター。即死効果で敵を何体か一撃で倒してくれたし、スプリガン相手にも最大のダメージを与える攻撃と、大活躍であった。
 フリーバトルの5-3をクリアしたらレベルが軒並み85くらいから88くらいまで上がったので試しにラスボスに挑んでみたところ、レベルを上げる前よりもクリアへの手応えが格段に増えたため、もしかしたらと思って攻略を続けてみた。どうやら、奥の塔2本を相手にするよりもラスボスに攻撃を集中させた方が効果的のようである。また、メイジの俊敏と機動力を上げて、最大ダメージを与える攻撃魔法を撃てる回数を増やしてみた。何度目かの挑戦の末、遂にあと一撃のところまでラスボスを追い詰めることに成功。しかし、この時点で生き残っている味方はわずか3人。そして、この機会を逃すと全滅間違い無しという事実上最後の攻撃の機会。そんな崖っぷちでの最後の攻撃は、ヒーラーが渾身の力を振り絞って放った1本の弓矢。命中率が低いのでミスしたものの、それは織り込み済み。本命はその後のアーチャーからの援護射撃。見事に発動してくれて止めの一撃を与えてくれた。最後の攻撃の機会で全てが狙い通りに行ったという劇的な幕切れに、ただひたすら感動。
 というわけで、無事クリアを達成。エンディングは非常に破壊力が高く、今までの疲れを一気に吹き飛ばしてくれた。あまりにも妄想が捗る素晴らしいエンディングだったので、全てスクリーンショットを撮ってしまった。

 なお、クリアに際しては、フリーバトルを繰り返してのレベル稼ぎは無しと、ラスボス戦を除いて敵を倒したときに全員生存という縛りを入れたプレイになった。レベリング無しについては途中からできそうな調整だということを漠然と感じて続けてみたのだが、まさか本当にできるとは思わなかった。敵を倒したときに全員生存は、敵を倒したときに生存しているキャラ全てに経験値が入るので、なるべく多くの経験値を得ようと思って実行してみた。実に貧乏性な発想だが、結果的にこれが効率的なレベル上げにつながってレベリング無しでもクリアできたのだと思う。

 それでは、「MagicScrollTactics」(オートリ電子)の感想を。
 太古に封印した邪悪な魔女の復活を阻むために、召喚士のナシュと巫女のカコが魔女の復活を目論む魔女の弟子達や、魔女の財宝を狙う海賊と戦うSRPG。マップが横視点の2Dマップというのが最大の特徴。高さの概念があり、高所に位置する方が攻防両面で有利になる。
 ゲームの流れは、マップを選択して勝利条件を満たし、次のマップに進むということを繰り返す。勝利条件は通常面では敵を全滅させる、ボス戦ではボスを倒すというのがほとんど。戦闘で味方が全滅すると敗北となる。また、本筋のマップは一度クリアすると再戦できないが、フリーバトルのマップであれば何度でも挑戦できる。
 そして、SRPGなので成長要素があり、レベルを上げたり装備を揃えてナシュとナシュが召喚する5種類の魔物を育てて強化していく。また、強化要素としてスキルツリーやジョブチェンジも備えている。アビリティ(スキル)は、レベルアップで入手したAP(アビリティポイント)を割り振って習得するスキルを選択し、戦闘を重ねてスキルの経験値が溜まると習得できるというシステムになっている。ジョブチェンジは5つのジョブのうち、魔物の種族別に決められたいくつかのジョブに変更できる。

 横視点の2Dマップというのが、今までありそうでなかなか見当たらなかったシステム。クォータービューのマップであれば高さの概念をもった平面マップというのも存在するが、横視点にしたことで高さの概念がより重要になっており、それが作品独自の戦術を要求してくる。高所にいれば攻撃の威力は増し、敵の攻撃の命中率も下がるので、高所に移動しやすい機動力の高いユニットや飛行ユニットが有利となる。一方で、高威力の魔法は相手と同じ高さ以下でないと当たらないので、不利になる低所に位置しなければ魔法の威力を発揮できない。ユニットの能力を発揮するためにどこに位置どるか、最初のうちはそれがなかなか見えてこなくて四苦八苦したが、理解できるとそれを考えるのが俄然楽しくなってきたと共に、それこそがこの作品の楽しさであることも理解できた。
 難易度は詰将棋というほどではなく恐らくSRPG慣れしている人であればそれほど難しくはなさそうだが、力押しできるほど甘くはないという印象。特に後半になると難易度がかなり上昇して、初見で絶望しか抱かなかったマップもいくつかあった。しかし、そういう厳しい状況においても試行錯誤を重ねて突破口を切り開き、遂にはクリアまで到達して大きな手応えを得るという、SRPGの醍醐味は大いに堪能させてもらえた。あと、私はジョブチェンジは全く活用せずにプレイしてしまったが、この辺りを活用できれば攻略の幅がもっと広がりそう。また、前述のとおりレベリング無しでもアビリティの選択が適切であればちゃんとクリアできるという丁寧な調整には大いに好感が持てた。ただ、その進め方は結構苦労も多かったので、無難にフリーバトルでレベリングして進めた方が楽だしアビリティも活用できてより楽しめるはずである。
 物語は魔女の復活を阻むべく4体の魔女の弟子達と順に戦うという、実にオートリ電子らしい単純明快で王道的な内容。だからといって凡庸かというと決してそんなわけではなく、個性的な弟子達を始めとするキャラクターの振る舞いと様々な起伏で最後まで楽しませてもらえた。第三勢力として邪魔をする海賊も、弟子達に負けず劣らずの存在感があり、物語に抑揚を付けるいい要素となってた。そして、会話において時折見受けられるぶっきらぼうさがこれまたオートリ電子らしくてとてもいい。あと、物語ではカコが居なくなったり再開したりと、ヒロインらしく色々と大変な目に遭っているが、その度に私が悲しんだり喜んだりと、私が忙しい展開でもあった。

 個人的には、キャラクターデザインもこの作品の大きな魅力の1つになっている。オートリ電子では以前にも私好みの東方作家さんがキャラクターデザインをした作品をいくつか製作してきたが、この作品も私が大好きな東方作家さんの茹でピーさんがキャラクターデザインを務めている。ナシュの中性的な容姿やカコの幼さが残る顔立ちなど人間キャラの魅力もさることながら、召喚する魔物が獣人ということで、ここで茹でピーさんの本領が遺憾なく発揮されており、適材適所とは正にこのことかと。特に羽根っ娘や人魚といった女性ユニットの可愛さは際立っており、この作品を楽しむ大きな要素になっていた。男性キャラも含めて、キャラ絵に関してはまるで文句のつけようが無いほどの完成度である。それにしても、海賊の首領であるレビの衣装のきわどさに、部下たちもいろいろと大変だろうと思ってしまう。あと、説明文にちゃんと彼女と書いてあるのに、実は途中までナシュが男だと思ってた。いや、長髪だけど顔立ちは中性的だし、胸も(稲妻突き)。
 ユニットの二頭身キャラはいつものオートリ電子らしい、ちょっときつめの表情をした絵柄で、ここの作品をいくつもプレイしてきたプレイヤーとしては安心できる。また、茹でピーさんの絵柄を上手く二頭身に落とし込んでいるのも見事(逆かもしれないが)。移動の際に頭を踏まれるとちょっと潰れるという細かい芸が可愛らしくてとても気に入っている。

 不満な点といえば、戦闘時の行動選択が上下でつながっているので、パッドで操作しているとたまにカーソルが行き過ぎて誤って待機を選んでしまったことと、カーソルがツリー上しか動かないのでスキルツリーの操作性が今一つだったというくらい。全体的には大きな不満も無く楽しませてもらえた。

 ゴールデンウィークの中盤から始めたこの作品だが、縛りプレイをしたというせいもあるがとても手応えのある難易度で、連休中がっつりと楽しませてもらえた。素敵なキャラクター達と共に、試行錯誤を重ねて解法を見出すという過程の面白さを存分に堪能できて、とても満足している。
 そして、1周目で溜まった鬱憤を晴らすべく、2周目はとにかく好き放題やらせてもらおう。この作品はとにかく弓と魔法が強いので、全員アーチャーや全員メイジとか偏った編成にしても面白そうである。


氷室 万寿 |MAIL
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